ベンチから試合を見る大谷翔平

　次こそ決める。米大リーグのプレーオフは18日（日本時間19日）、リーグ優勝決定シリーズが行われ、ドジャースの大谷翔平投手（30）はニューヨークでのメッツ戦に「1番・DH」で出場。4打数2安打と奮闘もチームは6―12で敗れて3勝2敗となり、ワールドシリーズ（WS）進出はお預けとなった。 　ブーイングが降り注ぐ中、初回から大谷が快音を響かせた。初回、左腕ピーターソンがフルカウントから投じたスライダーを右翼へはじき返して出塁。前日の先頭打者本塁打で走者がいない場面での連続無安打を「22」で止めた。呪縛を断ち切った背番号17はこの日も先頭打者としての役目を果たした。 　続くベッツが右翼へ二塁打を放ち、無死二、三塁としたが、フリーマン、エドマンが凡退して無得点。一方、ドジャース先発のフラーティはピリッとせず、安打、四球から4番のアロンソに3ランを献上し、3回には4本の長短打と2四球で5失点してしまう。 　序盤から一方的な展開となったが、大谷のバットは快調だ。6点を追う4回二死からはピーターソンの内角高めの直球を中前へ落とす技ありの一打。4試合ぶりにマルチ安打を記録した。第2打席は四球で歩き、第4、第5打席はいずれも空振り三振に倒れた。 　 　ドジャースは9番・パヘスの2打席連続本塁打、2番・ベッツのソロなど本塁打攻勢でジリジリと反撃したが、序盤の大量失点がたたって6―12で敗北。これで同シリーズは3勝2敗となり、1日の休みを挟んで第6戦は20日（同21日）に行われる。本拠地に戻るドジャースが有利であることは間違いない。 　米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」はこの日の電子版でこう指摘した。「トスカニーニにはスカラ座があった。ギルーグッドにはハムレットがいた。ジョーダンはNBAファイナルに進出した。真の偉大さは最も高い場所、最も険しい課題をこなすことを求めている。MLBのキャリアが7年の大谷翔平が頂点に近づいている」とし「大谷はワールドシリーズまであと1勝。家の電気を暗くし、女性の皆さん、帽子を脱いでください。最高の舞台で最高の選手になる瞬間がもうすぐそこまで来ている」 　世界最高峰の舞台で輝いてこそ、真のメガスターだ。大谷はWSへの最終関門を自らのバットでこじ開ける。