ナゼ危険?「日本一人身事故件数が多い」熊野町交差点(東京都板橋区)を実地検証してみた
*川越街道側、山手通り側、それぞれの道からの視点は画像ギャラリーにまとめてあります。 <川越街道・川越方面行き>の右折2レーンが右折信号で、山手通り外回りへ進む流れでは、駆け込みでギリギリに進入していくと、その先の横断信号が青になっている場合が……。この状況では歩行者との接触も起こりやすいだろう。また、2車線で右折するため横の車両が影になり、歩行者を見落とす場合もありそうだ。 一方、対向の<川越街道・池袋方面行き>の右折1レーンの流れは単独レーンのため、影から歩行者が現れるといった視認面での危険性は低い。 <川越街道・川越方面行き>の交差点進入前の車線は首都高・池袋ランプ出口があるため、右折用2レーンが急に始まる感じ。車線も2車線分の十分な幅が確保されていない。直進車と右折車の接触などが起きやすいポイントだろう。車線幅の狭い右折レーンに車がたまると、直進レーンの車両の流れを邪魔して接触事故が起こりそうな場面も見かける。また上を走る首都高の高架に邪魔され、行き先表示も遠くから見にくい。 <山手通り・内回り・東中野方面行き>の側道は、対向の側道の直進不可と異なり、中央に直進レーン、左折専用1レーン、右折専用1レーンとなる。右折レーンからの進行では、交差点通過の先にある横断歩道の歩行者、自転車を見落としそうな気配がある。 <山手通り・内回り側道>からの右折専用1レーンで、川越街道を川越方面へ進む流れでは、進行可の信号表示は青と右折信号点灯の2つがあるが、一見対向側の直進がなさそうな雰囲気なため、クルマとバイクはそのまま青で行けそうだと勘違いして進み、青信号で渡る横断歩行者を見逃しがち。ちなみに右折信号点灯では、先の横断歩道は赤になる。なお<山手通り・外回り側道>からの右折の流れも同様の危険をはらんでいる。
熊野町交差点・右折事故の予防と方策
なお、日本損害保険協会の報告書では、熊野町交差点で特に多い右折事故の要因と予防方策として以下のように述べている。 事故要因1=信号の変わり目で、無理な右折をしたことによる。 予防方策1=余裕を持った運転に努める。 事故要因2=右折先の横断歩道に気を取られ、対向車線を直進してくる車両の発見が遅れたこと、または、相手車両が自車を見落としたことによる。 予防方策2=対向車および自車の進路の安全確認を十分に行う。 つまりは、常に安全確認を丁寧に、冷静に状況を把握して運転操作をする、という至極真っ当な結論になるのだが、そうしたことに対応しにくく、個々に変則的な部分をはらむ交差点の状況が、事故を助長しているのは間違いない。 もし、今後クルマやバイクで出かける初めての地域などがある場合、そのエリアに変則的で危険な交差点があったりしないかなど、ウェブなどで事前にチェックして出かけるのも賢明な事故予防策かもしれない。 レポート&写真●阪本一史 ※12月11日11時40分、本文内を以下のように修正しました。 ■誤:④山手通り側道・外回り(仲宿方面行き)=右折1本、左折1本 ※直進不可 ■修正:④山手通り側道・外回り(仲宿方面行き)=右折1本、左折&直進1本