腕が上がらない人のための訓練法! STEP1から厳選紹介!
“正しい訓練”でおこなえば、手の機能はUPする! 脳卒中後遺症である運動マヒは、発症から6ヵ月たつとマヒの改善がほとんど見込めなくなるといわれています。上肢のリハビリテーション治療で一番大切なことは、マヒのレベル(程度)にあった正しい訓練法です。マヒがよくなるには順番があります。『腕が上がる 指が動く 脳卒中によるマヒのためのリハビリテーション・ハンドブック』より、患者さんがより自主的に取り組みやすいようにマヒのレベルにあわせた段階ごとの訓練法を紹介します。 【写真付きで解説!】マヒの段階をセルフでチェック! あなたに最適な訓練方法 前編記事<リハビリテーションの第一人者が提言!その次の訓練をしやすくする、効果的なストレッチ> 自分のマヒの段階を知るにはこちらで簡単セルフチェック!
STEP1 肩周りの筋肉を鍛える運動から
肩周りの筋肉を鍛えることで、腕の動きの安定性を高めます。また物を押さえる「押さえ手」を獲得する運動を紹介します。 ●バンザイ運動(寝て) 頭上に手を上げることによって肩関節の硬さをやわらげ、可動域を保ちます。肘は伸ばしたままを意識してゆっくり上げます。訓練中は腕が左右対称に動くように意識しましょう。目安:20回 ●肩と肘の分離運動(両手) 天井に向かって手を上げます。マヒ側の肩と肘の動きを助け、意図せずに肩と肘がいっしょに動いてしまう動き(共同運動)を改善し、可動域を保ちます。目安:20回 ●肩と肘の分離運動(片手) マヒ側の手を額にのせた状態から真上に上げます。マヒ側の肩・肘関節の硬さをやわらげ、筋力を強化します。目安:20回 ●肩甲骨つき出し運動 肩甲骨の安定性を高め、肩の重みを軽減します。肩甲骨に重みを感じる人、肩が後方に引けてしまいがちな人にもおすすめです。目安:20回 ●バンザイ運動(座って) 背筋をまっすぐに伸ばしましょう。背中が曲がっていると肩甲骨の動きをうまく引き出すことができません。左右対称に動くように意識して、ゆっくりおこないましょう。目安:20回
安保 雅博(東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座主任教授)