反省なきスマイル社の無慈悲対応…旧ジャニーズ性加害問題「法を超えた補償」はどこへやらで法廷闘争に
ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による連続性加害で、その補償にあたるスマイルアップ社は法廷闘争へと舵を切ったようだ。スマイル社から「救済対象外」とされた元「当事者の会」メンバーで、会社経営の上田和美氏(63)による申し立てでこのほど開かれた調停でのこと。 旧ジャニーズの度し難い不誠実…「法を超えた補償」は大ウソ、記者会見すら開かず 「絶句してしまいました」と上田氏がこう言う。 「私のヒアリングを終えて、相手方に調停委員が聴取に行くとすぐ戻ってきて、調停を打ち切る旨の通知がありました。調停委員いわく、弁護士に依頼して提訴してはどうかと。スマイル社側と当事者同士の話し合いというスタンスで進むものと考えていたので面食らいました。法律の中での争いとなると私に成算はないように思え、それを見越した上でのやり口とするとつくづく狡猾だなあと思っています」 スマイル社は11月、「当事者の会」副代表を務めていた石丸志門氏(57)への調停申し立てを取り下げ、自分たちの提示する1800万円を超える損害賠償責任がないことの確認を求めてさいたま地裁に提訴した。上田氏を含め、スマイル社が「補償対象外」とした申告者が200人以上いて、その多くがこれを不服として調停申し立てなどの動きを見せている。石丸氏との補償額ではその算定基準すら明らかにしていないのと同様、「対象外」もその理由や説明も足らず、到底承服できないと憤る申告者が少なくないからだ。そうした申告者たちに裁判を起こさせようというスマイル社の言い分は「その性被害とやらを証拠や証人などを連れて来て証明してみろ」というものなのだろう。スマイル社の東山紀之社長が会見で宣言した「法を超えた補償」はどこへやら、である。芸能評論家の中野義則氏が言う。 ■「救済委員会とは名ばかりの被害者処理委員会」 「救済委員会とは名ばかりで、その実は『被害者処理委員会』なのだと思います。スマイル社は補償支払いほぼ終了と喧伝し、一部マスコミもそれに同調するように報じていますが、上田氏ら200人以上の声に耳を傾けないばかりか、存在すら否定するような仕打ちですね。被害者に手を差し伸べると言っていた東山さんはどこへ行ったのでしょう」 被害者による「当事者の会」が解散してしまった現在、彼らは横の連携もとれず、対応や戦術をめぐって悩んだりしている。こうしたなか、上田氏らのもとには「もう一度結束し、たとえば200人で記者会見を開くなどしてスマイル社の仕打ち、行状を訴えるべき」とのアドバイスが複数寄せられているそうで、上田氏は「前向きに検討します」と答えたという。芸能リポーターの平野早苗さんもこう言っている。 「本当に、これまで『法を超えて』とか『被害者に寄り添って』と言ってきた言葉とは正反対の対応をスマイル社が強めていると思います。調停申し立てを言い出したのもスマイル社なら、裁判沙汰にしているのもスマイル社で、とても一方的なやり方じゃないかと感じてしまいます。これでは被害者の皆さんが戸惑うのも当たり前、ただでさえ誹謗中傷などの二次被害に遭って苦しんでいるというのに、その傷口にさらに追い打ちをかけているようなもの。皆さんが集結し、弁護士の先生に相談して会見などでこの行状を世に問うべしという意見に私も賛同します」 ジャニー喜多川氏の連続性加害も、長年にわたって被害者を封じ込め、テレビなどマスコミもグルになって、なきものとし、「鬼畜の所業」(東山社長)を助長してきた。スマイル社のやり口はそんなジャニーズ時代と全く同じではないか。 ◇ ◇ ◇ 補償問題が終わったかのような雰囲気が出かねない。関連記事【もっと読む】今さらどのツラ下げて? 東山紀之に芸能界復帰説…性加害補償が一段落、スマイルアップ社は解散か?…では、世の中から要求されていない東山紀之社長の芸能界復帰の可能性について伝えている。