独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに」=独紙
[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツのクキース新財務相は、財政赤字を一定の規模に抑える「債務ブレーキ」と呼ばれる財政規律の改革について、緩やかで対象を絞ったものになるとの認識を示した。22日付のハンデルスブラット紙とのインタビューで述べた。 財政規律の問題は2025年度予算案の協議で対立点となり、規律を重んじるリントナー前財務相の自由民主党(FDP)の連立離脱という事態に発展した。 債務ブレーキの改革に対しては、低迷する経済の支援へ財政出動余地の拡大につながるとの見方がある。クキース氏はインタビューで「何が現実的で、何が政治的コンセンサスになるのか考えなければならない」と指摘し「私の考えでは、穏健で的を絞った改革になるだろう」と述べた。 同氏は、債務ブレーキについて、危機時に財政出動できるよう、平時に規律ある財政運営をするという基本原則は正しいと述べた。その上で、さまざまな提案を検証し、必要な長期的投資ニーズを賄うために何が理にかなっているかを評価することは意義があるとし、「仮に債務ブレーキがなくても、欧州の債務規則に従う必要がある」と述べた。 ショルツ首相は22日、債務ブレーキの「穏やかな改革」が必要との見解を示した。北大西洋条約機構(NATO)加盟国として国内総生産(GDP)の2%相当を国防費を充てる必要があるが、国防費を増額するために社会保障費が削られることがあってはならないとした。ベルリンでの会合で「債務ブレーキを廃止するつもりはない。廃止しようとも思わない。しかしより管理可能になることを願っている」と述べた。