安房高生物部がアマモ研究で総文祭代表に(千葉県)
文化系部活動の“インターハイ”として全国の高校生が目指す「全国高校総合文化祭」(総文祭)の、来年度県代表を決める「令和5年度県高校生科学研究発表会」で、館山市の安房高校生物部(部員数15人)が選出された。地元のアマモに関する研究内容で、実地調査などの地道な研究が実を結んだ。 同発表会は、千葉市の千葉大学西千葉キャンパスを会場に、県高校文化連盟自然科学専門部会が主催。物理、化学、生物の部門でそれぞれ総文祭の代表を選出した。 同校生物部は、「アマモの有無における生息魚種の違いについて魚類調査と環境DNA分析を用いた比較」と題した研究成果を、部を代表して川名拓さん(1年)、渡邊治さん(同)がステージ発表した。 館山市の沖ノ島のアマモが消失したことによる生物への影響を、昨年8月から沖ノ島と、アマモの生息する勝浦市の興津海岸、木更津市の盤州干潟、富津市の富津岬を比較して調べたもの。 地引き網やたも網を使った魚類採集と、海水の中に存在する「環境DNA」を採取、分析しての魚種調査を重ねてきた。環境DNA、採集と、どちらの調査においてもアマモ場の有無によって、生息する生物の種類に違いがあるという調査結果を、具体的な根拠とともに示した。 調査の中心となり、発表内容を作成した山﨑琉海さん(2年)と鈴木雄大さん(同)は、「早朝や炎天下、強風といった悪状況での調査もあり、地道に重ねた結果が評価につながってうれしい」「個人ではできない地引き網など、チームとして取り組んだことが良かった」などと喜んでいる。総文祭は、来年8月に岐阜県で開催される予定で、同研究をさらに深めて臨むという。 同部は、「ジャパンバードフェスティバル2023環境学会」で、ウミホタルに関する研究で最優秀賞、サシバに関する研究で優秀賞、「全国ユース環境発表大会」で、アマモ再生への取り組みが選ばれ、関東大会に進出するなど、さまざまな研究活動で活躍をしている。