台湾の退役少将を処分 集会時に起立して中国国歌を静聴 軍人年金75%カット
(台北中央社)過去に野党・国民党内の退役軍人組織トップを務めた国軍退役少将の臧幼俠(ぞうようきょう)氏が、8月に香港で開かれた両岸(台湾と中国)の統一促進を趣旨とする集会に参加し、中華人民共和国の国歌が流れた際に起立して静聴したとみられる問題を巡り、国防部(国防省)は15日、条例違反で臧氏を処分することを決定したと発表した。退役軍人に支給される年金が5年間、75%カットされる。 同部は、台湾地区・大陸地区人民関係条例に基づき、臧氏の元所属機関として調査を行い、国家安全局や内政部(内務省)など関連機関を集めて審査会を開いたとした。臧氏の行為は過去に国防機関で少将以上を務めた者が大陸地区(中国)の軍や政治組織が主催する活動に参加し、国家の尊厳を侵害する行為を行ってはならないなどとする同条例の規定に違反していることを確認したと説明した。 処分内容には年金の一部カットに加え、これまで授与された賞や勲章の没収も含まれた。退役少将の年金は最高で1カ月当たり約10万台湾元(約46万円)に上るとみられる。 これを受け臧氏は15日、弁護士事務所を通じて声明を発表。これまでに国防部に対し、中国の国歌を起立して静聴した事実はなく、証拠の録音や映像もあることを伝えたと主張した。個人の権益を守り、身の潔白を示すため、救済手続きを弁護士に依頼したとした。 (王承中/編集:田中宏樹)