電グル+藤井風を彷彿? 謎の存在・マハラージャンのインパクトと中毒性
「マハラージャン」をご存知だろうか? スーツ姿にターバンを巻いた独特の風貌で『THE FIRST TAKE』などに登場し、話題となったシンガーソングライターだ。 【動画】ハマ・オカモトのベースもクセになる『セーラ☆ムン太郎』MV 彼が注目を集めている理由は、もちろん特異なビジュアルだけではない。コロナ禍で家に閉じこもっていた苦しい日々を地上に羽ばたくために土のなかにいるセミに重ねた『蝉ダンスフロア』、海辺の風景を喚起させる爽やかなサマーチューン『波際のハチ公』といった楽曲に見られる、独創的すぎるワードセンスによるリリックは、もともと広告代理店に勤務し、CM制作現場で働いていたという経歴も納得のものだ。 なにより、ソウルやファンクといったブラックミュージックからエレクトロサウンドまでを取り入れたダンサブルなサウンドも、文句なしのカッコよさ。そこにフィーチャーされたアナログシンセのレトロな響きも唯一無二のフレッシュさを漂わせる。 個人的には、コミック要素と革新的なダンスミュージックのブレンド具合に電気グルーヴを、グローバルな音楽性と突き抜けたアーテスト性に藤井風を思い出してしまった。 そんな彼が現在開催中のワンマンツアー『奇跡』。バンド隊とホーン隊、計7人のサポートメンバーを携えたゴージャスな編成で、MCも演出もさすがのファンキーさでブチ上げてくれるという。気になる人はチケットが買えるうちに急いで。関西では11月28日、「BIGCAT」(大阪市中央区)で開催される。 文/井口啓子