『ドラクエIII』復活で再注目、80年代「懐かしのファミコンRPG」を振り返る。初代ドラクエの“データ容量”は64KB…
「仲魔」を素材にする禁断の味……
『デジタル・デビル物語 女神転生』 1987年9月/ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント) 『女神転生』は、西谷史氏の小説『デジタル・デビル・ストーリー』を原作としたOVAのメディアミックス企画として開発された3DダンジョンRPG。悪魔召喚プログラムを作った天才高校生の中島朱実(イザナギ神の転生)と不思議な力を持つ転校生・白鷺弓子(イザナミ神の転生)、ふたりが飛鳥の大魔宮で人間界の制圧を企む大魔王ルシファーに挑みます。 悪魔に話しかけて「仲魔」にし、ともに戦う伝統のシステムはここから。戦友のはずの仲魔を素材にして、より強い悪魔を召喚する「悪魔合体」は背徳的でした。 その後、開発元のアトラスが『真・女神転生』シリーズを展開。派生作の『ペルソナ』を含めて世界的に支持されるシリーズとなっていきます。『女神転生』は、リメイク版『旧約・女神転生』(1995年/スーパーファミコン)がリリースされていますが、再リメイクが待ち望まれています。
桃太郎電鉄の“前身”はRPGだった
『桃太郎伝説』 1987年10月/ハドソン(現コナミデジタルエンタテインメント) 中世ファンタジー風世界を舞台にしたRPGが増えるなか、和風かつ昔話のパロディで個性を発揮したのが『桃太郎伝説』。当時「週刊少年ジャンプ」の読者コーナー「ジャンプ放送局」のライター・さくまあきら氏がゲームデザインを手掛け、同コーナーのイラストレーター・土居孝幸氏がキャラクターデザインを担当。親近感もあり、売上100万本を達成しました。 ストーリーの基本ラインは勇気や愛を謳う温かい内容ですが、「ジャキ チェーン」や「きんぎんパールプレゼントのオニ」など、敵にはニヤリとできる鬼たちが多数。女湯をのぞける裏技もあって、おふざけ要素がいい味を出していました。 その後、ボードゲームの派生作『桃太郎電鉄』(1988年)が大ヒット。『桃太郎』シリーズというとすっかり「鉄道」になってしまったのがちょっと寂しいですね。