名スカウトが選ぶドラフトで1位指名すべき12人の逸材
逆に片岡氏が「危なさを兼ね備えている」と、疑問符を投げかけるのは、高校ビッグ4では、横浜の藤平尚真であり、外れ1位候補として名前が挙がっている流通経済大の生田目翼、阪神など5球団が注目している立正大の153キロ右腕、黒木優太、例年逸材を輩出している富士大の152キロ右腕、小野泰己らの大学生組だ。 「外れ1位候補と呼ばれている大学生のピッチャーは、未完成部分が目につく。即戦力というよりも時間がかかる印象が強い。生田目は、まだ下がバラバラ。1球、1球にムラがある。黒木も腰高が気になる。小野も下半身を使ってボールを引っ張ってくることができていない」 一方、野手では、日大の京田陽太、中京学院の吉川尚輝の大型ショート2人がA評価。「可能性に期待したい」とB評価ながら、全日本大学代表で4番を任された白鴎大の大山悠輔・三塁手と、立教大の1、2番タイプの外野手、佐藤拓也の2人の名前が挙がった。また将来性の部分では、静岡高の強肩、俊足の鈴木将平、高校通算68発のパワーを誇る中京の左スラッガー、今井順之助がピックアップされた。 「野手では、吉川と京田の2人。ショートとして最も重要な肩と足があるし、バッティングはプロで使われて慣れれば、ある程度は形になってくるだろう。右の長距離打者はなかなか出てこないので、全日本で4番を打った大山は、プレーしてきたリーグの質が低く、プロの外の出し入れには苦労するだろうが、どう化けるかという面白みはある。 パワーでは、高校生の今井。一塁手なのでパ・リーグ向きかもしれないが、プロで鍛えてみたい。余裕のあるチームで育てれば、ヤクルトの畠山クラスを越えていく可能性もあるのではないか。静岡の鈴木は3拍子が揃っているので、3年後、4年後を見据えて抑えておきたい外野手だろう。立大の佐藤も凄みはないが、肩と足はあるしバットコントロールは上手いので使い勝手はいいのかもしれない」 豊作と呼ばれる2016年のドラフト。名スカウトの慧眼に選ばれた逸材は、どのチームに指名されるのか。田中や佐々木など、競合必至の選手が多いため、またドラマが生まれそうである。