アベノミクス第3の矢の要「国家戦略特区」とは何か?
国家戦略特区の内容は?
今回指定された6か所の特区には、それぞれどの分野で規制緩和を行い、改革を行っていくかが設定されています。東京圏は外国人の在留資格を見直し、国際ビジネスやイノベーションの拠点、関西圏は再生医療などの先端医療の研究開発拠点として位置づけられました。ほか、新潟市と養父市は、農地売買の認可権限の見直しや農地の集積、企業の参入を容易にする農業改革拠点として、福岡市は創業後5年以内のベンチャー企業の雇用条件を整え、起業を促進する雇用改革拠点として、沖縄県は国際観光拠点として、それぞれの役割が求められています。
特区には反発も
経済成長を先導する役割として期待される一方、農業団体や医師会からは反発もあります。農地売買に関する農業委員会の権限を自治体に移譲し、農業への企業参入を促す構想に対して、農業団体からは反対の声もが挙がっています。また、医学部の新設は1979年の琉球大学への設置以来ストップしていましたが、東京圏に大学医学部を新設することについて、医師を現場から教育の場に移すことによる医療の質の低下などを危惧する声があるようです。 特区を起点に、その経済効果を全国に広げることができるのか。今夏までには、特区ごとに設ける「国家戦略会議」で、規制緩和を盛り込んだ具体的な事業計画についてまとめられる見通しになっています。 (南澤悠佳/ノオト)