プロである限り、トレードは避けられない。チャンスと考えて飛躍のきっかけにせよ。大切なのは試合に出て活躍できるかどうかだ【張本勲の喝!!】
昔のトレードは放出ありき
日本ハムから巨人のトレードで筆者の現役生活は長引いた
阪神対オリックスの日本シリーズも終わり、2023年の長い戦いが終わった。もっとも、まだここから日本代表の試合などが残されているが、3月から始まったペナントレース、クライマックスシリーズ、そして日本シリーズまでの一連の流れは終了したわけだ。 やはり選手である以上、最後の日本シリーズまで戦い抜くことが何よりだと思う。リーグ優勝もそうだが、日本シリーズという大舞台に出た経験は何物にも代えがたい。私も日本シリーズは東映で1回(1962年)、巨人で2回(76、77年)の計3回出場した。東映で日本一になったのはプロ4年目の22歳のときだったが、若いうちに日本シリーズの舞台に立てた経験は大きく、その後の活躍にもつながったと思う。 ただ、勝者がいれば敗者がいるのは常だが、日本シリーズで負けたときの悔しさは半端ではない。リーグ優勝した喜びが一気に吹っ飛んでしまうほど敗北感を覚えるものなのだ。私はそれを巨人で、しかも2年連続で経験したから余計に悔しかった。やはり何事も勝負ごとは勝たなければならないと痛感し、翌年のシーズンに臨んだものだった。 さて、日本シリーズに出場できなかった10球団は来季に向け、すでに始動しているはずだ。現在はどこも秋季練習の真っ只中であり、新監督を迎える球団はスタッフの顔ぶれも大きく変わり、選手たちを鍛え上げていることだろう。 若手が中心でベテランは免除だとは思うが、この秋季練習で監督は来季への構想を練っているはずだ。ドラフト会議も終わり、ここからチームに何が足りないのか、どこのポジションが弱いのか、レギュラーと控えの顔ぶれなどを思い浮かべながら、来季の布陣を考えていく。 そこで不安があれば当然、補強という手を打つ。FA選手の獲得、合同トライアウト、現役ドラフトなどが主な手段になると思うが・・・
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週刊ベースボール