TBS系「アンチヒーロー」の最終話の台本表紙は黒から白に 担当者「ストーリーも謎が晴れるような展開になる」
俳優、長谷川博己(47)の主演で、16日に最終話が放送されるTBS系連続ドラマ「アンチヒーロー」(日曜後9・0)の飯田和孝プロデューサーがサンケイスポーツの取材に応じ、人気を支える脚本の制作秘話などを明かした。 長谷川は犯罪者の証拠がそろった裁判でも無罪を勝ち取るダークな弁護士、明墨(あきずみ)役で出演。9日放送の前回第9話は平均世帯視聴率11・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。好調のまま最終回に突入する。 脚本制作について飯田氏は「4人で作ったことが特徴で、日本では珍しい方法です」と説明。自身は昨年大ヒットしたTBS系「VIVANT」のプロデューサーを務め、同作も複数人で脚本を制作している。今作では「分業の中で、物語の筋を1本通す作業が大変だった」と振り返った。 今作は1話と2話、3話、4話と5話などとエピソードをくくりながら進行。「基本的にはそれぞれにライターをあてましたが、最初の1話と2話のパートは全員で作った。次に3話、4話と5話のパートを担当者に書いてもらい、その間に1話と2話の内容を確認しながら直して…という流れでした」と明かした。 時間を要する作業となったが、「複数の目が入るので、ここでこういうシーンを入れたほうがいいのでは?と議論になり、それがプラスに働いた。全員が年齢的に同世代で、議論でも気兼ねなく言える関係性になった」と指摘した。 しっかりした脚本の完成で「ロケのスケジュールも立てやすくなり、撮影にかける時間を確保できた。編集も色や音楽など総合的な作業にも時間をかけられた」と説明。視聴者を引き込む工夫については、SNSでストーリーをめぐる考察が活発であることを念頭に「例えば、『物語の軸である志水さんの事件は12年前のことで、明墨は無罪だと思い始めたらすぐに行動を起こすよね』となると冷めてしまう。視聴者が素に戻ってしまうリスクは昔よりも断然高く、その可能性のあるところは全部つぶしていった」と注意を払った。 最終話では、明墨が被告として証言台に立つ衝撃の展開。飯田氏は「第1話の台本の表紙の色は、物語に謎が多いという意味を込めて黒でしたが、最終話の台本は白っぽくしました。ストーリーも謎が晴れるような内容になります」とアピールしていた。