政治にかかるカネには2種類 「まっとうな政治活動に必要な金と“みかじめ料”的金」元衆議院議員・豊田真由子氏が明かす
政策アナリストの石川和男が6月30日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。今月19日の参議院本会議で可決・成立した改正政治資金規正法を念頭に、なぜ日本の政治にはカネがかかるのかを元衆議院議員の豊田真由子氏をゲストに迎え議論した。
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題をきっかけとした、政治とカネをめぐる問題。今月19日の参議院本会議では、改正政治資金規正法が自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立したが、野党からは「抜け穴だらけ、ザルのような法案との指摘を覆せなかった」との声も出ている。 豊田氏は今回の政治資金規正法改正の動きについて「木を見て森を見ずの話になっている気がする。国民の皆さんは、根本的になぜ政治家はこれほど必死にお金集めをするのか、何に使っているのかを知りたい。そんなに政治にお金がかかるのならば、何にどう使っているのかをまずは透明化する必要がある。さらに、なぜそれほどお金がかかるのか。政治の闇の部分も含めて根本の原因を正していく、すごくいい機会だったのに、結局うやむやなまま根本のところにはまったく触れないんだな」と感想を述べた。 また、実際の政治活動にどれほどのお金がかかるのかについて豊田氏は「小さい会社を経営するのと同じ。事務所を借りて、人を雇う。本当にすごくクリーンに身ぎれいに、闇のお金とか領収書とか一切なくても、年間3000万円とか4000万円の単位でお金がかかる。政治家には事業収入というものはなく、政党を通じて国からいただく政党助成金と旧文通費、自らの歳費を一部切り出してやりくりしなくてはならず、平均すると2400万円程度の赤字になるという調査結果もある」と赤裸々に語った。 他方で「永田町や地元で“子分”をつくるとか、地元でヤクザのみかじめ料的に有力者のおっちゃん達にせびられて、泣く泣く払うとか結構あったりする。人の心をつかんだり、人の憎しみとか、妬みみたいなものを減じてもらうために結構なお金が飛ぶ」とも明かし、「(前者と後者では)同じ“政治にはお金がかかる”と言ってもまったく違う話で、これをごっちゃにせずに、それぞれの問題点を整理して解決していくための議論が本来必要」と指摘した。 そのうえで、本当にクリーンな政治を実現するには「もちろん無駄を徹底的に省いたうえで、すべての費用を欧米諸国のように公費で賄う。一方で、(先に後者で述べたように)闇から闇にお金が乱れ飛ぶ、古くからの政治風土をぶった切って無くせば、たぶんすごくお金はかからなくて済むようになると思う」と述べた。