【独占】「アメリカだけでなく、世界を変えた」息子のために闘った母親を演じた、ダニエル・デッドワイラーインタビュー公開 映画『ティル』
1955年8⽉28⽇にアメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで実際に起きた「エメット・ティル殺害事件」。アフリカ系アメリカ⼈による公⺠権運動を⼤きく前進させるきっかけとなったこの事件をもとに、初めて劇映画化された、映画『ティル』。 この度、勇気ある⾏動によってアメリカ、そして世界を変えた⺟親メイミー・ティルを演じたダニエル・デッドワイラーのインタビュー映像が独占公開された。 夫が戦死して以来、空軍で唯⼀の⿊⼈⼥性職員として働くメイミー・ティル(ダニエル・デッドワイラー)は、⼀⼈息⼦で 14歳のエメット(ジェイリン・ホール)と平穏な⽇々を送っていた。しかし、エメットが初めて⽣まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こる。エメットが飲⾷雑貨店で⽩⼈⼥性キャロリン(ヘイリー・ベネット)に向けて「⼝笛を吹いた」ことが⽩⼈の怒りを買い、彼は⽩⼈集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられた。 ダニエル・デッドワイラーが演じたのは、その凄惨な遺体を世界に向けて公開するという⼤きな決断をしたメイミー・ティル。 デッドワイラーは「アメリカだけでなく世界を変えたと⾔えます」と、メイミーのこの勇気ある⾏動が、社会に⼤きな影響を与え、のちの公⺠権運動の先駆者となったことを振り返る。そして「皆がいやがおうでも、南部の歴史を省みることを余儀なくされたんです。⿊⼈の境遇を知らしめました」「メイミーはアメリカと世界に挑戦し⿊⼈に対する当時の偏⾒や不当な扱いを変えさせた」と賞賛。 のちにアメリカの⿊⼈の公⺠権運動の重要な節⽬を担う、ローザ・パークス、キング牧師、ボールドウィンらを駆り⽴て、多くの⼈の⼈⽣を変えたこの出来事を演じるにあたって「かなりの重責だった」とも明かす。 「‟⿊⼈の⺟親であること”の意味の他に、あのような経験がもたらす悲しみの⼤きさ、そしてその重みを背負う⼤変さ」「⼈の強さとはどういうものなのか、そういう表に⾒える部分」をまず監督と相談し、⼤衆のシンボルとなったメイミーに⼈間味を持たせるため、事件の前後を問わず、彼⼥の内⾯をどうやって表現するかを課題としていたという。 映像の最後には「観客たちにはこの事件を今までになく⾝近に感じ、新たな気づきを得てほしい」それがメイミーの願いをかなえることにつながる。彼⼥が望んだのは、⼈々に情報と知識を伝え彼らを啓発して戦う勇気を与えること。⾃分たちの知恵や歴史を奪い返さなければなりません。でないと⽬標の達成はあり得ないからです」「そしてエメットの残したものが⽣き続けること、彼⼥の望みはそれだけです」と、本作を通して伝えたい強いメッセージを送った。 映画『ティル』は、2023年12月15日(⾦)より全国ロードショー。
otocoto編集部
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