映画「沖縄狂想曲」舞台挨拶で鳩山由紀夫元総理が原発と沖縄の基地問題の共通点を解説「バックにアメリカがいる」
沖縄における諸問題を取り上げた映画「沖縄狂想曲」が2月3日から公開され、東京・新宿のK's cinemaで初日舞台挨拶が行われた。 同作は辺野古基地問題をはじめとする沖縄で起こる数々の問題を取材し、有識者による解説を加えたうえで、多くの日本人が知らない現実をさらけ出す問題作。舞台挨拶には太田隆文監督と作品中で「最低でも県外」と発言した真意を激白している元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏が登壇した。 太田監督は「鳩山さんに的外れな批判をする人がたくさんいた。悔しかった。テレビも新聞も鳩山さんが“最低でも県外”と言ったことをしっかり伝えない。なにか誤解した空気ができてしまって、今回それを伝えたいし、どういう思いで話をされたかということを多くの人に伝えたい、分かってほしいという思いで取材をお願いした」と鳩山氏が出演に至った経緯を明かした。 これに鳩山氏は「太田監督は原発の映画も作っていただいている。ある意味でタブー。それに挑戦してくださっている監督の強さに感激した。取材もしていただいてありがとうございます」と感謝の言葉。
太田監督と鳩山氏の間には太田監督が撮った原発問題を描いた映画「朝日のあたる家」という作品の上映会を鳩山氏が開催したという過去があるのだが、鳩山氏は「原発と基地問題は共通点がある。一番大きいのはバックにアメリカがいること。今回の映画では日米地位協定のことが盛んに出てきたが、日米地位協定によると、いつでもどのくらいの規模でもどのくらいの期間でも、米軍は自由に日本の中に基地を作ることができることになっている。同じように日米原子力協定というものがあって、その協定のおかげで日本は簡単に原発を撤去できないシステムができている。ここが原発と基地の共通点。日本という国が本当の意味で自立していない、独立国になっていないゆえんだと思う」と説明。 これに太田監督が「原発の映画と沖縄の映画をやって思うのは構図が同じ。原発は電気が必要だからと、沖縄はほかの国の脅威があるからと。どっちもウソでお金儲けしている人の言い訳というのが分かった。その辺は多くの人に伝わってないから仕方がないのかなと思ってしまうことが多いので、鳩山さんにばんばん発信していただきたい」と鳩山氏にさらなる発信を要望すると、鳩山氏は「映画の発信力はすごいので、太田さんには体に気を付けながらこれからも何本も映画を作っていただきたい。この国を本当の意味で独立させるためにお願いしたい」とエールを贈った。 同作はK’s cinemaほか全国順次公開中。