【解説】“原因不明”子どもの急性肝炎 “関係”着目のウイルスも…日本では検出少なく どう気をつけるべき?
日テレNEWS
原因不明の子どもの急性肝炎の疑いがある事例で、国内で初めて死亡が確認されました。 ●150人超える報告 ●最も多い症状は ●ウイルスとの関係は 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■“原因不明”子ども急性肝炎…報告数 症状は
厚生労働省によると、この急性肝炎の疑い例は国内で、2021年10月から2023年3月16日までに162人の報告がありました。死亡例について発表していません。 一方、国立感染症研究所によると、2月16日までに156人の報告があり、このうち肝移植が必要になった症例が3例、死亡が1例確認されたということです。これが、国内で初めての死亡例となりました。亡くなった子どもの年齢や性別などは公表されていません。 これまでの報告例では、患者の年齢がかなり低いことがわかります。 感染研で報告のあった156人の年齢は「1歳から9歳」で、男の子が84人、女の子が72人となっています。また、症例は全国から報告されています。つまり、性別や地域的な偏りはみられないということです。 肝炎の症状について、そもそも「肝炎がどういったものか」というところから確認します。 肝炎は、「肝臓に炎症が起こって細胞が破壊されている状態」のことをいいます。「慢性」のものと「急性」のものがあり、今回の原因不明の肝炎は「急性」です。 具体的な症状について、国内の症例で最も多かったのが「37.5℃以上の発熱」で、100人いました。次に腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状が86人でした。そのほか、目や皮膚が黄色くなる黄だん、せき、白色の便、意識障害といった症状が報告されています。
■“関係があるのでは…”着目される新型コロナ・アデノウイルス 日本では検出少なく…
世界では去年時点ですでに1000人以上の報告があり、日本国内で初めて確認されたのが去年4月です。そこからさかのぼって調べたところ、2021年時点ですでに疑われる症例があったことがわかりました。これだけ時間がたっていても、まだ原因がわかっていないのです。 “関係があるのでは…”と着目されているのが、「新型コロナウイルス」と胃腸炎などの原因となる「アデノウイルス」です。