水俣病被害者のマイク切り、伊藤環境相「深くおわび」 3分間の発言制限にも「運用改善すべき」 今夕、水俣で直接謝罪へ
水俣病の患者・被害者団体と伊藤信太郎環境相の懇談会で被害者側の発言が制止された問題で、伊藤氏は8日、同日午後に熊本県水俣市を訪れ、被害者側に直接謝罪すると明らかにした。「発言の途中でマイクの音量を切ったことは大変遺憾。大変申し訳なく、深くおわび申し上げる」と述べた。 【関連】水俣病発言制止問題、環境大臣が被害者側に直接謝罪へ きょう夕方、熊本入り
伊藤氏は7日、懇談会で司会をしていた特殊疾病対策室長に直接謝罪するよう指示していた。自身が赴く理由について「私の判断」と強調。「いろいろと日程があり急に行くわけにはいかなかった。室長が行くことも、責任者の私が謝罪することも必要」と語った。 被害者側の発言を3分としていたことに関しては「決して長い時間ではない。もう少しゆっくり話を聞く機会をつくるよう運用を改善すべきだ」と言及。「どのようにすれば団体に寄り添った円滑な懇談ができるか検討を進める」とした。 伊藤氏は今回の対応が不適切だったとして、事務方の責任者である和田篤也・環境事務次官と神ノ田昌博・環境保健部長を厳重注意したことも明らかにした。 懇談会は、熊本県水俣市で1日あった犠牲者慰霊式の後に開かれ、八つの患者・被害者団体と伊藤氏が出席した。団体側の発言中、持ち時間の3分が過ぎた後、環境省の職員によって発言者2人のマイクの音が切られた。
南日本新聞 | 鹿児島
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