「米軍に言わせれば、まだ沖縄は日本復帰していない」元副知事・比嘉幹郎さんの研究活動を紹介
政治学者や副知事として沖縄の基地問題などに関わった比嘉幹郎(ひが・みきお)さんの研究活動を紹介する講演会が宜野湾市で開かれました。 【写真を見る】「米軍に言わせれば、まだ沖縄は日本復帰していない」元副知事・比嘉幹郎さんの研究活動を紹介 講演会は沖縄国際大学の沖縄法政研究所が開いたもので、琉球大学と早稲田大学の名誉教授・江上能義さんが、西銘県政で副知事を務めた政治学者・比嘉幹郎さんのこれまでの研究活動などを紹介しました。 1931年、現在の名護市で生まれた比嘉さんは沖縄戦で鉄血勤皇隊として動員された体験を持ち、戦後、米国留学などを経て政治学者としての道を歩みました。 沖縄返還前の1971年には、返還後の沖縄で日本政府が軍事的な理由で住民の自治権を侵害する危険性があるとして「沖縄自治州構想論」を提唱しました。 また、沖縄の政治文化を「差別と犠牲を強要した過酷な歴史によって形成された」と分析しています。 登壇した比嘉さんは沖縄が目指した「本土並み」の復帰は今なお実現していないと強調しました。 ▽比嘉幹郎さん 「(米軍は)沖縄は犠牲にしてもいい。差別してもいい。そういった形で沖縄を確保している。だから米軍に言わせればまだ沖縄は日本復帰していない」 会場を訪れた人は93歳の比嘉さんの言葉に耳を傾けながら復帰の内実や平和について理解を深めている様子でした。
琉球放送