「建物全体が傾いている。ここで生活するのは諦めた」 広島市西区の市道陥没、復旧見通し立たず住民に疲労感
広島市西区福島町での市道陥没事故で、市は29日も現場の応急復旧工事を続けた。立ち入り禁止区域内では傾いた建物の調査も予定されているが、復旧の見通しが立たないとして、戻ることを諦めた人もいる。 【写真】道路の埋め戻しが進み、周囲の建物の傾きがより分かる陥没現場 市下水道局によると、陥没した道路の埋め戻しが前日までに終わったのを受け、建物周辺の細かな陥没箇所を修復した。下水管の損傷具合の点検も進めた。 周辺では、民家など少なくとも建物11棟にひび割れや傾きが見つかっており、市は詳細な被害状況の調査が必要とする。会社員男性(63)はこの日、避難先の市内の親族方から市の許可を得て自宅に入り、毛布を運び出した。「建物全体が傾いているのでここで生活するのは諦めた。住む場所を探さないといけない」と疲労感をにじませた。 事故は26日朝に発生。雨水管を整備するため、市から受注した業者が地下30メートルを大型掘削機で掘り進めていたところ、異常に水が出て道路が陥没した。現場から半径50メートルで立ち入り禁止が続いている。
中国新聞社