静岡県警本部長が袴田巌さんに謝罪 ひで子さんは「今さら警察に苦情を言うつもりはない」と回答
「言葉では言い尽くせない心労と負担を掛けました」と頭を深く下げました。58年前の事件で再審無罪が確定した袴田巌さんに、静岡県警本部長が面会し、謝罪しました。 静岡県警 津田隆好本部長: 「逮捕から無罪確定までの58年間の長きに渡り言葉では言いつくせないほどのご心労ご負担をお掛けし申し訳ありませんでした。今後、静岡県警察といたしましては、より一層緻密(ちみつ)かつ適正な捜査に努めてまいります。申し訳ありませんでした」 ひで子さん(91): 「58年前の出来事ですので運命だと思っている。巌も私もそう思っていて、今さら警察に苦情を言うつもりはない。わざわざおいでくださり、ありがとうございました」 袴田巌さん(88): 「権力を持ったらぐずぐず言わないようそう心得ております。権力が積極的にまちの平和を保障すると言うことが大事。 警察が小さくしてはいられない」
謝罪を受けた後、支援者の問い掛けに巌さんは。 支援者: 「本部長さんの申し訳ないって話聞いてどうですか?巖さんにご迷惑おかけしたってお詫びされたんですよ」 袴田巌さん: 「権力は繰り返して認めていくということなんだね。一般の国民の言い分をね、どういう風に認めるか、それだけのことなんだね。認められるかどうかって」 ひで子さん: 「(本部長の謝罪の言葉)聞こえたよね? 本部長さんが謝ってくれたのわかったよね?ほんで、あんたもう死刑囚じゃないだから、安心しな」
謝罪後、取材に応じた津田本部長。 58年前の取り調べにも言及しました。 静岡県警 津田隆好本部長 「この事件についての取り調べにつきましては、強制的・威圧的な取り調べがあったということで、誠に申し訳なく思っております」