孤立出産で男児殺害の罪 裁判で赤ちゃんの父親「責任は同じくらいある」
tvkニュース(テレビ神奈川)
自宅で「孤立出産」した男の赤ちゃんを、浴槽に沈めて殺害し遺棄した罪に問われている女の裁判で、赤ちゃんの父親の男性が「自分にも責任は同じくらいある」と述べました。 タイ国籍のカオピアパニット・ジュン被告25歳は、おととし4月、川崎市中原区の自宅の浴室で出産した男の赤ちゃんを浴槽の水に沈めて殺害し、マンションのゴミ置き場に遺棄した罪に問われています。 これまでの裁判で被告は「殺人は認めません」と起訴内容を一部否認しています。 2日の裁判では、弁護側の証人として精神科医への証人尋問が行われました。 その中で医師は、被告を知的障害のグレーゾーンである「境界知能」と診断。 言葉で上手く説明をしたり、計画的に行動したりする能力が低く、物事の判断を先送りにする特性があると説明しました。 成育歴なども影響し、困ったことを隠してSOSを出すことができないことから、結果として事件につながったと分析し、医療や福祉の支援が必要だと訴えました。 また、赤ちゃんの父親であり、被告と勾留中に結婚して現在は夫である男性への証人尋問も行われ、妊娠の相談はなく気付きもしなかったと証言。 また、過去に被告が街で小学生を見て、「今は色んなランドセルがあるんだね。 自分の子どもには好きな色のものを背負わせてあげたい」と話したエピソードを挙げ、「子どもに対して殺してしまいたいと思うような人間ではないということです」と涙ながらに語ると、法廷には被告や裁判員のすすり泣く声が響きました。 さらに、「もし相談してくれていたら、絶対的に育てていくつもりだった。 自分がもっとしっかりしていてジュンと向き合えていたら、自分たちの子どもは今も生きていたと思う。 父親の自分にも責任は同じくらいあります」と述べました。 判決は7月18日に言い渡される予定です。
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