米下院、ウクライナ・イスラエル支援を別個に審議へ 今週中の可決目指す
米共和党のジョンソン下院議長は4月15日、イスラエルとウクライナへの支援を今週、別個の法案として審議すると述べた。上院とほぼ同程度の、総額950億ドル程度となる見通しで、今週中の可決目指す。下院ではウクライナ支援を巡る共和党内の分裂が数カ月続き、審議が遅延していたが、前週末にイランがイスラエルを攻撃したことで党への圧力が強まったとみられる。 米共和党のジョンソン下院議長は、イスラエルとウクライナへの支援を下院で今週、別個の法案として審議する予定を明らかにした。 下院ではウクライナ支援を巡る共和党内の分裂が長引き、審議が遅延。だが、前週末にイランがイスラエルを攻撃したことで、共和党に対する圧力は強まったようだ。 ジョンソン議長は15日夜の会見で「世界的な出来事」に言及。 ジョンソン下院議長(共和) 「世界が、私たちの反応を注視していることは分かっている。 ロシアのプーチン氏や中国の習国家主席、イランのようなテロリストや暴君、恐ろしい指導者が世界中にいる。 米国が米国自身と同盟国のため立ち上がるかどうか、世界が見ている。そして、米国は立ち上がるだろう」 ジョンソン議長は、下院で計4本の法案を審議すると発言。うち3つはイスラエル、ウクライナの支援法案のほか、台湾を含むインド太平洋地域の同盟国の支援法案だ。4つ目についてはまだ不明。 上院と同程度の950億ドル規模の対外支援が含まれるが、一部の支援を融資の形にするなど上院の法案と異なる点もあるという。ジョンソン議長は、今週中にも採決が行われるとみている。 共和党のスカリス下院院内総務はイランの対イスラエル攻撃を受け、イスラエル援助への支持を表明した。 下院のスカリス院内総務(共和) 「イスラエルがロケットやドローンを撃墜するのを、米国は支援した。米国の資産が多く使われた。そのため、私たちは自ら補給する必要がある」 ジョンソン下院議長は、ウクライナ支援を認めれば共和党の強硬派から更迭されるという脅しにも直面している。 共和党保守強硬派のフリーダム・コーカスは15日、ウクライナではなく、イスラエルへの支援を求めるとの声明を発表した。