熱送り太鼓の練習に励む住民

　富山市南砺市福野北部地域の上津地区で２１日、地域伝統の熱送り太鼓が約２０年ぶりに打ち鳴らされる。破損していた太鼓を、宝くじのコミュニティー助成金で修復した。関係者が本番に向け、練習に励んでいる。 　福野北部地域では、毎年夏に太鼓をたたき田畑を練り歩き、病害虫や熱害から稲を守ることを願う伝統行事「熱送り太鼓」が継承されている。上津地区でも長年にわたり続いてきたが、２０００年ごろに太鼓の皮が破損して以来、行事が途絶えていた。 　昨年、各地区の祭りや伝統行事を支援する宝くじの助成事業に応募し、選ばれた。直径８０センチ、高さ１メートル２０センチの太鼓を新調したほか、法被などもそろえた。 　１８日は地元の公民館で練習を実施。力強くばちを振り下ろし、本番に向け汗を流した。石黒正区長（７２）は「久しぶりに再開できるのは地域にとって喜ばしいこと。これを機に若い世代にも継承していければよい」と話している。