池田学のアメリカ初個展が開幕。現地から会場風景と作家コメントをお届け
池田学、アメリカでのデビュー個展
2月2日、アメリカのクリーブランド現代美術館 (moCa Cleveland) で、池田学展「Flowers from the Wreckage(がれきの花)」が開幕した。会期は5月26日まで。 本展は池田学にとってアメリカの美術館での初の回顧展となる。 池田学は1973年佐賀県多久市生まれ。アメリカ、ウィスコンシン州マディソン在住。2011年文化庁芸術家在外研修員としてカナダ・バンクーバー滞在を経て、2013~16年にアメリカ・ウィスコンシン州マディソン、チェゼン美術館にて滞在制作を行なった。2017年には故郷にある佐賀県立美術館で「池田学展 The Pen ―凝縮の宇宙―」を開催、大作《誕生》(2013~16)を公開し、盛況を博した。 本展ではこの《誕生》(2013~16)や代表作《予兆》(2008)をはじめ、日本及び海外から集められた約60点の作品を展示。また、会期中には3m×6mに及ぶ新作の滞在制作も行われる。 TokyoArt Beatでは、池田から本展に向けたコメントをもらった。 「アメリカの美術館での初個展の開催にとてもワクワクしています。 こちらの人たちの目に僕の作品がどう映るのか、そして何を感じ、そこから何を考えてくれるのか、この展覧会を皮切りにこれからアメリカの地にも僕の作品が広まっていったら嬉しいです。 美術館で実際に作品の前に立ち、近づいたり離れたりしながら細部と全体を楽しんでほしいです。 また今取り組んでいる大作の公開制作も会期中に定期的に行うので、作品の生まれるプロセスを感じてもらいたいです!」 昨年は、アカデミー賞7冠を獲得した映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の監督ダニエルズが、池田学の作品から制作のインスピレーションを得たというインタビューが話題となった。ディレクターのひとりであるダニエル・クワンもまた、自身のSNSで「脚本を書き始めて2年が経ち、私が脚本に圧倒され、これほど大きなことに取り組もうとするのは無価値で愚かだと感じていたときに、この絵(予兆)は道標の光(guiding light)となった」と語っている。 こうした注目も高まるなか開幕した本展。2013年からアメリカに移住し、制作し続けてきた池田の新たな挑戦に期待したい。
Art Beat News