日本人の平熱は1℃近く低下! 多忙な現代人におすすめの「ちょい足し温活」
寒~い冬はもちろん、夏でも空調で手足が冷えたりしませんか? 実は日本人の平熱は、66年前に比べると1℃近く低下しているそう。今回は医師の石原新菜先生に、冷えにまつわる問題と、手軽に取り入れられる「ちょい足し温活」について伺いました。 【写真】冷えとオサラバ! 本当にあったまる温活アイテム12
お話を伺ったのは…… イシハラクリニック副院長 石原新菜(いしはらにいな)先生 帝京大学医学部卒業後、同大学病院で2年間の研修医を経て現職。主に漢方医学や食事療法により、各種の病気の治療にあたっている。分かりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、幅広く活躍中。
日本人の平均体温が、1℃近く下がっている
日本人の体温について、広く知られているのが、1957年に発表された東京大学の田坂定孝先生による研究です。約3000人の男女を対象に調査したところ、約7割の人の平熱は「36.9℃」でした。 「1957年当時、多くの方の平熱は7℃近かったことになります。一方で、現在クリニックに来院する患者さんの平熱は35℃台後半~36℃台前半の方が多く、66年の間に1℃近くも下がっているんですね」(石原先生) まれに34℃台の患者もいて、石原先生も驚くことがあるそう。平熱が36℃を切ると「低体温」に分類されるといいます。 「昔に比べると、階段の上り下りや雑巾を使った拭き掃除など、身体を動かす機会が減りましたよね。生活が便利になったぶん、筋肉を使わなくなったことが、体温低下の一因と考えられています」(石原先生)
女性のほうが「冷えやすい」理由とは?
体温の約4割を生み出しているのが「筋肉」です。男性に比べて女性は筋肉量が少ないため、どうしても冷えやすい傾向があるそう。 「さらに、女性は生理周期によって、1ヶ月の間で体温が変化します。生理の初日から次の排卵までは、0.3~0.5℃くらい体温が低くなります。このような女性ホルモンの変化は、血流にも関係し、冷えを助長するケースもあります」(石原先生) 血流という視点で考えると、年齢と共に身体の末端にある「毛細血管」の機能が低下することも冷え要因の1つ。 「血流が減少し、最終的には消失してしまう“ゴースト血管”が増えると、手足が冷たくなります。一生懸命温活しても冷えるという方は、ゴースト血管化しているのかもしれません」(石原先生)