英国、2月インフレは2年半ぶり低水準-サービスインフレ根強い
(ブルームバーグ): 英国のインフレは予想以上に後退し、2年半ぶりの低水準を付けた。イングランド銀行(英中央銀行)は年後半に利下げを実施する路線を維持しそうだ。
英政府統計局(ONS)が20日発表した2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.4%となり、前月の4%から低下した。民間エコノミストおよび英中銀の予想中央値は3.5%だった。
エネルギーや食料品、アルコール、たばこなどを除くコアインフレ率は前月の5.1%から4.5%に低下し、予想に一致した。だが、英中銀金融政策委員会(MPC)の委員らが注目するサービス業のインフレは6.1%への低下にとどまり、予想を上回った。
英中銀のベイリー総裁は、利下げを決定する前に物価上昇圧力が目標の2%に持続的に戻るという一段の証拠を確認する必要があると示唆している。21日に発表する政策判断では、過去16年間で最も高水準の5.25%で金利は据え置かれる見込み。金融市場が完全に織り込む初回の利下げは、8月でしかない。
英産業連盟(CBI)のリードエコノミスト、アルペシュ・パレジャ氏は「インフレは正しい方向に向かっており、春のある時点で英中銀が目標とする2%を下回るはずだ」と指摘。「ただ、それ以降の道のりは平たんではないだろう。ベース効果の変動があるため、年後半には2%を上回って上昇する公算が大きい」との見方を示した。
インフレ統計の発表後、ポンドは上下に振れたが、1.27ドルを割り込んで日中安値を付ける場面もあった。英中銀が他国・地域の中銀よりも金利を長く高い水準に保つとの思惑から、ポンドはドルに対する上昇率が主要通貨のうち最も大きい。
原題:UK Inflation Cools More Than Expected to Slowest Pace Since 2021(抜粋)
--取材協力:市倉はるみ、Andrew Atkinson、Irina Anghel、Constantine Courcoulas、Brendan Scott.
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Tom Rees