ロッテ・中村奨吾「結果を出すしかない」リーグ戦再開後の巻き返しに期待
◆ 交流戦では打率.293 ロッテの中村奨吾はここまで58試合に出場して、打率.219、1本塁打、9打点と苦戦している。 今季に向けて「今年は内野の間であったり、外野の間であったり、しっかり抜けるような打球を打てるように下半身をもう1度鍛え直して、下半身を使って打てるように今は取り組んでいます」と、“下半身を使って打つ”ことをテーマに掲げ、練習を積み、開幕前の3月26日の取材では「最近は割といい感じでバッティングができていると思いますし、これをもっともっとレベルを上げていければいいかなと思います」と話していた。 開幕してからここまで、“下半身を使って打つ”ことは「継続して意識して取り組んでいます」とのこと。開幕直後の4月5、6日のオリックス戦では初球からノーステップ打法で打ったり、普段使用している茶色のバットではなく、白木のバットを使ったりしていた。それは、下半身を使って打つ一環の中で、ノーステップであったり、白木のバットを使用していたのだろうかーー。 「タイミングがとりにくかったりというのがあったので、ノーステップにしたというのはありました。白木のバットは下半身と関係ないですね」。 4月終了時点で打率.188、5月の月間打率.227だったが、交流戦では打率.293(41-12)。5月29日のヤクルト戦から6月5日の巨人戦にかけて7試合連続安打をマークした。交流戦前の5月26日のソフトバンク戦では、2-0の6回無死走者なしの第3打席、藤井皓哉に対して2球で追い込まれるも、そこからボール球を見極め、ファウルで粘り、3ボール2ストライクから投じた9球目の127キロスライダーを見送り四球を選んだ。7試合連続安打中の5月31日の阪神戦では5打席で、阪神投手陣に31球を投げさすなど粘りの打撃が増えてきた。 中村は「打ちにいく中で球数が増えている印象ですかね。球数を投げさそうという意図で増えているわけではないかなと思います」と教えてくれた。粘れている時は安打が増えている印象を受けるが、そこについても「打ちにいく中でファウル、粘りだったりが多いので、安打が出ているのはわからないですけど、しっかり打ちに行けているから安打に繋がるところもあるのかなと思います」と自己分析した。 ◆ 試合出場へのこだわり 中村はこれまでの取材で試合に出ることに対してこだわりを何度も口にしてきた。 昨年9月14日の取材では「出続けないと、試合に出てなんぼだと思いますし、なんていうんですかね、難しいですけどね。休むことは簡単だと思いますけど、試合に出る中でしかできないこともいっぱいあると思うので。そういった先輩方を見てきているので、怪我を押して出たりとか、連続試合出場している方を見て、そういう選手になりたいとと思ってやっていたのもありますし、試合に出る中で貢献しないといけないというのもあります」と熱い想いを明かしてくれた。 今季はここまでチームは63試合戦っているが、そのうちスタメン出場は51試合。途中出場が7試合、出場がなかった試合は5試合ある。試合に出続けることにこだわってきた中で、ベンチスタートの日はどういうことを考え過ごしているのだろうかーー。 「試合前から試合に出ている時と変わらない準備もしますし、試合に出ていなくても自分だったらこういうことを考えながら打席に立つかなとか、状況とかを見ながら状況に応じたことを考えながら見ていることが多いですかね。展開とかを読みながら裏で準備をしたりとかはありますね」。 本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われた4月27日の楽天戦、5月19日の日本ハム戦、6月1日の阪神戦、6月15日の中日戦の試合前練習では、昨季まで主戦場にしていたセカンドでノックを受けていた。調べてみると、いずれもベンチスタートだった。それはチームに何かがあった時に試合に出られるようにするため、準備のひとつとしてセカンドでもノックを受けているのだろうかーー。 「そういうわけではないですね。足を動かしての練習をしているだけです」。 今季から挑戦する三塁の守備についても「うまくいかないことの方が多いのかなと思いますし、難しさを感じる場面が多いのかなと感じます」と話す。 交流戦終盤から一軍に昇格した上田希由翔がバットで存在感を見せれば、11連勝中の期間は友杉篤輝、小川龍成の二遊間が機能し、若手の台頭が目立つ。チームが浮上していくためにも、中堅、ベテランの活躍は必要不可欠。その中で、昨年までチームキャプテンを務め、チームの中心として支えてきた中村奨吾にはもっともっとやってもらわなければ困る。 「結果を出すしかないと思います」。開幕からここまで攻守に苦しんでいるが、シーズンは残り80試合ある。どう始めるかではなく、どう終わるか。シーズンが終わった時にマリーンズファンから“やっぱり、中村奨吾は頼りになるよね”と言われるような活躍をこの先、見せてほしい。 取材・文=岩下雄太
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