NHK「おげんさんといっしょ」、星野源に期待するゆるい雰囲気と偏愛トーク
星野源といえば当代きってのマルチタレントであり、いま彼のことを知らないと言う人はあまりいないだろう。2016年10月からTBS系で放送されたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(逃げ恥)では主人公の相手役を演じた上に、エンディングに流れる主題歌「恋」もヒットし、共演者の新垣結衣が披露したダンスは社会現象にもなった。俳優、音楽家のほか文筆家の顔も持ち、エッセイの書き手として最近の「いのちの車窓から」(KADOKAWA)のほか「そして生活はつづく」(文春文庫)など、多くの本を出版している。
そんな星野源が新たに挑戦するのがNHKの初の冠番組「おげんさんといっしょ」(5月4日午後10時50分から生放送)である。名前はNHKの幼児向け番組にどこか雰囲気が似ているが、昭和のお母さん風の「おげんさん」に星野が扮し、音楽とだらだらお話することが大好きなおげんさん一家が「音楽で遊ぶ」という番組である。音楽をこよなく愛するおげんさんが、お茶の間で家族とともに独自の視点で語らい、その模様が東京・渋谷にあるおげんさんの家から生放送されるという設定だ。 「おげんさん」は星野自身が考案したキャラクターでありながら、中身は星野そのもので、彼のオリジナリティーあふれたパロディー精神が役作りに生きている。 番組のチーフ・プロデューサーを務めるNHKの柴崎哲也さんは、星野源を起用した理由について「多才で、数多くのフィールドで活躍されている星野さんの何が多くの人をひきつけているのか、を知りたいと思いました」と語る。
そのうえで番組の中身については「彼は一体何が好きで、いつもどんなことを考えているのか? 音楽家としての彼を作ったのはどんな音楽なのか? そしていま彼がやりたい音楽とはどんなものなのか? そんな『今の星野源』がわかる音楽番組を作りたいと考えました」と話す。 60分におよぶ生放送の番組であり、何が起こるか楽しみなところだが、銘打っているのは「星野源のゆる~い偏愛的 音楽&トーク番組」である。星野が敬愛する世界的なスター、マイケル・ジャクソンあり、家族や仲間達とのライブ演奏あり、とことん音楽を楽しみ尽くす内容になりそうだ。おげんさん一家と視聴者がツイッターでリアルタイムにつながることができるのも魅力だ。 今までテレビで見せたことのない新しい姿を星野源が見せてくれるのか。NHKの柴崎さんは「楽しく、ゆる~い雰囲気の番組を通して滲み出てくる彼のマニアックなこだわりを視聴者のみなさんと一緒に楽しんでみたい」と話す。NHKにとっても新たな挑戦の始まりといえそうだ。 (3Nアソシエイツ)