ダイアナ妃

ダイアナ元妃のタイムレスなスタイルは、ファッション史に大きな影響を与えた。黒い羊柄の編み込みセーターやリベンジドレスなど、数々のアイコニックなルックを世に送り出し、さまざまなトレンドを巻き起こした。 【写真】ダイアナ元妃からベラ・ハディッドまで！ 想いを雄弁に語る"リベンジドレス"集 服はもちろん、妃が身に着けたシューズやバッグ、アクセサリーも常に注目されていた。中でも有名なのが、妃が生前、肌身離さず身に着けていたカルティエの時計の「タンク」。イギリス王室に基づいたドラマ『ザ・クラウン』のシーズン6では、このアイコニックなウォッチとダイアナ元妃の関係性に焦点を当てたエピソードが放送された。 シーズン6の初回放送は最後、ダイアナ元妃がカルティエの有名な赤い箱を開け、中の「タンク・フランセーズ」とともに、「来週、パリに行かない？」というメモが入っているのを見つけるシーンで終わる。このウォッチは、1997年にパリで起こった衝突事故でダイアナ元妃とともに亡くなった、彼女の最期の恋人で映画プロデューサーのドディ・アル・ファイドからの贈り物として描かれているが、真実は明確にはわかっていない。 ダイアナ元妃は、公務を担う王室メンバーだった当時は、チャールズ皇太子（当時）から20歳の誕生日プレゼントに贈られたパテック・フィリップのゴールドの時計を着用していた。しかし、1996年の離婚後は、父エドワード・ジョン・スペンサー伯爵から贈られたカルティエの「タンク・ルイ」と、「タンク・フランセーズ」を身に着けるようになった。 王室伝記作家で『Diana: the Intimate Portrait（原題）』の著者ジュディ・ウェイドは、ドディもダイアナ元妃にカルティエの時計を贈ったが、「パンテール・ドゥ・カルティエ」だったと主張する。短い交際期間にドディはダイアナ元妃に、「巨大な箱に入ったトロピカルフルーツや、部屋いっぱいのピンクのバラ、カルティエのパンテールなど」、プレゼントを浴びせるように与えたと『People』に語っている。 ダイアナ元妃の「タンク・フランセーズ」は、ロイヤルファンにとって特別な意味を持つ。なぜなら、そのウォッチは現在、次男のヘンリー王子に受け継がれているからだ。実際には、ウィリアム王子が時計を形見に選び、ヘンリー王子がダイアナ妃の婚約指輪を選んだとされる。しかし、ウィリアム王子がキャサリン妃にプロポーズするために、兄弟間で交換したと考えられている。 ヘンリー王子はその後、ダイアナ元妃が愛用した時計を自身の花嫁でタンクの長年のファンだったメーガン妃に贈った。メーガン妃は「タンク・フランセーズ」を現在も愛用しているが、それはをダイアナ元妃から受け継いだものなのか、あるいは2015年に彼女自身が購入したものなのか、長く議論が続いている。