日本ハム・松本剛「ベンチにいてもあとから試合に出てもできることはある」数字以上の大きな存在感/チームリーダーの2024年
選手会長の松本剛にとって、2024年シーズンはチームの躍進とは裏腹に苦しい1年だった。「もうヒット打てないんじゃないか」と追い詰められていたのはシーズン前半戦のラスト9試合。チームは7勝2敗と上げ潮ムードで前半戦を戦い終えたが、自身は19打席連続無安打でオールスターブレークに突入。22年の首位打者は、もがき続けていた。 【選手データ】松本剛 プロフィール・通算成績 後半戦前の全体練習では居残りで特打を続けた。ロングティーはあまり好きじゃないけど、取り入れてみよう」と良くない流れを変える意味を込めて普段はやらない調整法にも着手。やれることをやって臨んだ7月26日の西武との後半戦初戦は「今日から開幕だ、ぐらいの気持ちで臨んでいた」。5回の第2打席で二塁打が飛び出し、どん底から抜けた。 こんな苦境が何度も訪れたのが24年シーズンの松本剛だった。打撃の状態はシーズンを通して絶好調とはいかず、「野球ってほんと難しいなっていうのを、あらためて感じた」という。それでも若手が多いチームの中で、シーズン終盤はCS進出を目指して一丸となる後輩たちを鼓舞。ベンチスタートの試合があっても、先頭に立って声を出した。 これまで歩んできたプロ野球人生で学んできたことを、最後まで出し尽くした。「僕は(スタメンではなく)あとから行くのも多い選手だった。ベンチにいても、あとから走塁や守備で試合に出ても、何かできることはある」。どんな形でもチームに貢献することの大事さも背中で示した1年。残した数字以上に大きな存在感で、2位躍進に貢献した。 写真=BBM
週刊ベースボール