元日に能登半島地震が発生した2024年。 今週は、富山の1年を分野別に振り返ります。 12月16日は「政治」です。 岸田内閣の退陣に激戦となった衆院選… そして、問題続出の田畑議員。 常に裏金の問題がつきまといました。 今年の漢字に選ばれた「金」。 富山でも政治とカネの問題が渦巻いた1年でした。 年明け早々、政界を大きく揺るがした自民党派閥の裏金事件。 安倍派に所属していた県選出の2人も派閥からのキックバックを収支報告書に記載していなかったことが明らかになりました。 ＊野上浩太郎参議院議員 「不記載の形で処理することが長年の慣習だった」 ＊田畑裕明衆議院議員 「(安倍派の)事務局と秘書の間のやりとり。極めてずさんな会計処理が行われていた」 野上議員は国会対策委員長に加え、党の県連会長を引責辞任。 長年続いた派閥政治のあり方が問われました。 その後、自民王国・富山を騒がせ続けたのが田畑裕明衆議院議員です。 ＊立憲民主党　村田享子参院議員 「ご入金のみパーティー。パーティーの対価か、寄付だと思うか?」 6月、国会で政治資金規正法改正の議論が続くなか、田畑議員は政治資金パーティーを計画。 その案内状にあった「入金のみ」の項目が違法だと野党から追及を受け、当時の岸田総理が答弁する事態になりました。 ＊岸田首相(当時) 「いずれにせよ、議員本人が説明すべきものだと考えている」 ＊田畑裕明衆議院議員 「人間、田畑裕明として向き合ってきた。未熟な判断に対して、心よりお詫び申し上げます」 ＊岸田首相(当時) 「自民党が変わることを示す最もわかりやすい最初の一歩は、私が身を引くこと」 8月、政治とカネの問題にけじめをつけるため、岸田総理が退陣を表明しました。 ＊県民 「岸田さんがダメなんじゃなくて、自民党がダメだと思う」 「自民党の裏金問題がきちんと解決していない」 翌月の総裁選。 出馬した9人が自民党の刷新を訴え、新たな総裁に石破茂元幹事長が選ばれました。 ＊石破新総裁 「日本国をもう一度皆が笑顔で暮らす安全で安心な国にするために、全身全霊を尽くす」 発足した石破新政権では富山3区選出の橘慶一郎衆議院議員が官房副長官に起用されました。 ＊氷見市　林正之市長(当時) 「道半ばで病に倒れることはまさに痛恨の極み」 能登半島地震からの復旧・復興に力を注いできた氷見市の林正之市長。 病気の治療に専念するため、任期途中で退任することになりました。 ＊氷見市　林正之市長(退任式) 「そもそも災害の多い氷見市で育ち、いつか氷見市のために役立てるのではないかと。任期途中で退任せざるを得ないのは痛恨の極み。市民の皆さんに申し訳ない」 後継には、元県職員の菊地正寛さんが選ばれました。 その1週間後、解散に伴う衆院選と知事選の「同日選挙」が行われました。 知事選は、自民や立憲などからの推薦を受けた現職の新田八朗知事が再選。 政治とカネの問題が争点となった衆院選は、富山2区と3区は自民の現職が圧勝しましたが、1区は大接戦に。 もう不祥事はない… そう言って自民から公認を得た田畑議員がわずか738票差で逃げ切りました。 ＊田畑裕明衆議院議員 「粉骨砕身、原点に帰ってきちっと働いていくことを誓います」 しかし、結果、立憲民主党新人の山登志浩さんの比例復活当選を許しました。 県内で立憲の国会議員が誕生するのは初めてです。 ＊山登志浩衆議院議員 「国会の門をくぐって国会議員になったことをひしひしと実感している。国民の命と暮らしを守るために全力で働いていく」 その後、再び田畑議員をめぐる問題が浮上します。 ＊田畑裕明衆院議員 「多数の党員に関し、入党意思を確認せず、党費も第三者が支払うという不適切な取り扱いをしたことは事実であり、管理が不十分だったと猛省している」 事務所で管理するおよそ4割が本人に無断もしくは架空で登録した党員だったことを明らかにしました。 しかし、その党費は田畑議員の亡くなった親族や父親が支払っていたとして、自身の関与は否定しています。 12月に入り、自民党県連と富山市連は、田畑議員の常任顧問の役職を解任。 ＊自民党富山市連　中川忠昭支部長 「自民党の活動を一緒になってなかなか進めることはできない」 県連は次の衆院選の公認候補となる選挙区支部長を無期限で認めない判断を下しました。 ＊自民党富山県連　宮本光明幹事長 「離党勧告を上申したり、辞任を勧告する案件かどうか党本部とすり合わせながら、それと同じくらい重い対応をとることになった」 富山1区の支部長が空席のままの異例の事態。 県連は、事実上候補者選考をスタートさせています。 政治不信が一段と強まった2024年。 信頼回復がされないまま、来年も選挙イヤーが続きます。 「ニュース富山この1年」 12月17日は「経済」です。