新基準バットや朝夕2部制導入…岐路に立つ甲子園で東京勢が大躍進 年の瀬記者ノート
■時代の転換点に
今春から導入された「新基準バット」は、夏も打者を大いに苦しめた。飛距離が短くなったことで、醍醐味でもある本塁打が激減。木製バットを使用する選手も現れ、聖地に響く乾いた打球音が印象的だった。早実の宇野主将も「芯で捉えれば、木製でも金属と同じぐらい飛ぶ」と話した。そんな中、継投と堅守を武器に決勝まで進んだ関東第一の戦い方は、新基準バット時代のモデルケースになるかもしれない。
酷暑対策も新たなステージに入った。日中の最も暑い時間帯を避けるため「朝夕2部制」を部分的に導入。だが第3、第4試合はナイターでの開催となるため、練習環境の差で不公平が生じる可能性を指摘する声も出ている。
また将来的な「7回制」導入が検討されるなど、高校野球は「時代の転換点」に立たされているといえる。プレーする選手の感覚や指導者の意見を最大限取り入れつつ、「新時代の高校野球」へ向けた模索を続けてほしい。(宮崎秀太)