おなかごろごろしないA2牛乳 じわり普及 販売開始時から8割増
小容量パックも検討
酪農家や乳業メーカーなどでつくる日本A2ミルク協会は、おなかがごろごろしにくいとされるA2ミルクについて、同協会認証牛乳の販売状況を明らかにした。5月の1日当たりの平均出荷本数は800本(1パック1リットル入り)を超え、販売を開始した3月と比べると8割増えた。一方、最近は伸び率鈍化の傾向もあり、販売促進や認知度向上が課題となっている。 同協会によると、1日当たりの平均出荷数(同1リットル入り)は3月が450本、4月が800本、5月が832本。同協会の藤井雄一郎代表は「出荷量が鈍化している」と指摘し、スーパーへの導入提案を進めていると説明した。 同商品は一般的な牛乳より単価が高く、機能性も売りにしているため、発売当初はシニア層の購買が多いと見込んでいたという。一方、4、5月の購入者3700人を調査したところ、1~49歳が32%、50~64歳が37%、65~100歳が31%と三つの年齢層でほぼ均等だった。シニア層にはA2という単語が分かりにくく、容量が大きいことなどが影響したとみる。新聞やテレビを通じた認知の拡大や、小容量パックの検討などを進める。 A2ミルクの日本の市場規模について、藤井代表は「少なくとも700億円は見込める」と分析。オーストラリアでの市場調査から、日本の飲用乳市場約7000億円の1割ほどと試算した。 A2ミルクは、おなかがごろごろする要因とされているタンパク質「ベータカゼイン」のタイプがA2型だけの牛乳。同協会が3月に認証制度の運用を始めた。現在2牧場が協会認証を受けており、関東と中京、関西圏で販売している。7月からは北海道のスーパーでも発売する予定だ。(川崎勇)
日本農業新聞