「自動チェックイン機」が生まれた意外な理由 ホテル評論家・瀧澤信秋
瀧澤)コロナ禍になったとき、「この時期だからこそ徹底して寝具の除菌をしてください」と言いました。そこをもう1度考えていただけたらと思います。 黒木)ホテルに泊まったら、まずマットレスを見る。でも、なかなかそんなことはできないので、信じるしかないですよね。 瀧澤)私はダニチェッカーを持ち歩いて、ダニがいるかいないかを調べています。 黒木)初めて聞きました。そんな道具があるのですね。ホテル評論家として、いいところは褒め、酷評もきちんと行う。いまはカスタマーハラスメントの問題もありますが。 瀧澤)お客様からの苦情をよくクレームと言いますが、正式には「コンプレイン」と呼ばれます。クレームとは少し違う。正当な権利行使はクレームです。単なる苦情はコンプレインですが、ホテルにとっては財産なのです。それがきっかけになってサービスが改善されることが多い。 黒木)コンプレインがきっかけで。 瀧澤)ビジネスホテルに行くと自動チェックイン機があり、フロントを通さずに機械でチェックインの手続きを行えるのですが、あれも「チェックインやチェックアウトの手続きに時間が掛かりすぎる」というお客様からの声によって生まれたものです。本来なら苦情は財産なのに、度を越えたお客様自身の感情を晴らす場として、そういうことが起きている現実があります。
瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)/ホテル評論家 ■法律事務所、会計事務所等の勤務を経て、経営コンサルタントの会社を設立。 ■2000年ごろから各地への出張の折に利用したホテルの宿泊レポートをブログで執筆。 ■2007年ごろからメディアへの取材対応をはじめ、「ホテル評論家」として活動。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底し、数多くのメディアに出演。 ■評論対象はラグジュアリーホテル、デラックスホテルをはじめ、ビジネスホテル、簡易宿所(カプセルホテル・ゲストハウス・簡易宿泊所)、レジャーホテル(ラブホテル)など多業態に渡り、ホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題まで幅広い。