地場材、木質ボイラー導入 北海道福島町に新・吉岡温泉23日オープン
【福島】町が建設していた吉岡温泉(町吉岡219)の新施設が、23日午前10時半にオープンする。浴場には露天風呂やサウナなどを整備し、町内初の木質バイオマスボイラーを整備。地場産木材を使用した建物でゆとりと安らぎの空間を提供する。
町温泉健康保養センターゆとらぎ館として1994年にオープンした旧施設の老朽化に伴って新施設の建設を進めていた。温泉棟は木造平屋の約932平方メートルの温泉棟と同約40平方メートルの源泉棟を整備。浴場は男女ともに広い浴槽と露天風呂、サウナ室などがあり、高い天井のリラクゼーションスペースなどがある。
共同事業体として施工した金沢建設(町三岳)は職人が仕上げた道南スギ材のベンチなどのほか、金沢淳悦社長が町出身の千代の富士が生前、九重親方時代に揮毫(きごう)したついたても寄贈した。工事費や備品を合わせ、総事業費は11億9858万円。
また、脱炭素の取り組みとして熱源に採用した木質バイオマスボイラーはオーストリア製で、緑産北海道支社(江別市)が納めた。建物の外部から自動供給できる仕組みで、温泉では1週間で50立方メートル程度の木質チップを使用。道南では初導入で、同社の担当者は「最先端ボイラーを見てもらいたい」とする。チップは当面、知内森林組合から購入するが、今後、町産への切り替えも進める。
19日には施設前で竣工(しゅんこう)式が開かれ、鳴海清春町長は「地元木材を活用し、静けさと落ち着きの空間がコンセプト。町民の安らぎと憩いの場として、長く親しみ愛される空間になり、健康増進の一助になれば」とあいさつ。溝部幸基町議会議長や施工業者関係者とともにテープカットをして新施設の誕生を祝った。 入浴料は中学生以上400円、小学生以下無料。町内在住の65歳以上は150円。月曜定休(祝日の場合は翌日)。営業時間は午前10時半~午後9時。
函館新聞デジタル