バスケ・ベルテックス静岡・森新監督「B2優勝、昇格目指す」 東大出身者で初のBリーグ監督
バスケットボールBリーグ2部(B2)静岡は20日、森高大新監督(34)の就任会見を静岡市内で開いた。東大出身者では初のBリーグ監督就任となる。「これだけファンの熱量が高いチームはB1にも少ない。B2優勝、B1昇格を目指す」と抱負を語った。 森新監督は香川県出身。当時関東リーグ3部の東大でプレーし、米ウェストバージニア大大学院でコーチングを学んだ。2015年に旧ナショナルリーグ時代のトヨタ自動車アルバルク東京にアシスタントコーチとして加入。9シーズンにわたって所属し、2度のB1優勝を支えた。今季はトップアシスタントコーチを務めていた。 静岡はファクンド・ミュラー前監督が指揮を執った4シーズンで堅守速攻のチームカラーを確立。今季はB2昇格1年目でプレーオフに進出した。森新監督はそのスタイルをベースにしつつ、「(シュート制限時間24秒の)ラスト8秒からの1対1を守れるのが本当に守備が強いチーム。攻撃的かつ堅いディフェンスを目指す」と、さらに洗練させる考えを示した。 松永康太社長は「ミュラー前監督の下、B2で戦う土台はできた。それをブラッシュアップし、ハングリーに挑戦できる監督を選んだ」と、若き指揮官にさらなる躍進を託した。 ■「静岡はいいバスケ文化が根付いている」 森高大新監督の主な一問一答は次の通り。 ―静岡の印象を。 「地域として育成年代のレベルが高く、Bリーグで活躍する選手も多い。すごくいいバスケ文化が根付いている。B2昇格を決めた埼玉戦を観戦し、静岡のファンが敵地でホームのような雰囲気を生み出していたことを鮮明に覚えている。これだけの応援の中でプレーできる選手は幸せだろうなと感じていた」 ―選手の顔ぶれを踏まえた強みは。 「攻守ともバラエティーに富んでいる。特に現在のBリーグは3番ポジション(SF)でプレーする外国人が違いを生み出す傾向が強く、止められないとそこを起点に突破され続ける。その上で、チームには増田、新川、サイモンら3番で守れる選手が多く、ディレイニー、加納、バローンはビッグマンにも対応できる。相手のラインアップに合わせられる柔軟性がある」 ―経歴が異色。 「もともと指導者になりたくて教員志望だったが、行けるところまで上を目指そうと。当時の東大は関東リーグ3部と国立大では筑波大の次に強く、高いレベルでプレーできると思った。英語とコーチングを学びに行った大学院を卒業する時、A東京の当時の監督から声をかけられた」 ―意気込みを。 「ミュラー前監督がハードワークする文化を作ってくれた。それを継続しながら、より賢く強みを生かし、静岡のようないいバスケ文化がある土地の子どもたちに、胸を張って見本だと言えるようなプレーを見せたい」
静岡新聞社