全国高専の「オープンイノベーション」で宇部高専チームが最優秀賞 マダガスカルの栄養改善プランで【宇部】
全国の高専の学生がアフリカの課題解決に向けたアイデアを競い合う「高専オープンイノベーション」で、宇部高専(金寺登校長)のチームが最優秀賞に選ばれた。水田養殖でマダガスカルの栄養改善を図るプラン。メンバーは来年3月に現地を訪れ、提案の実証を行う。 国際協力機構(JICA)と長岡技術科学大(新潟)が、世界の課題に対する高専生の関心を高め、柔軟な発想と技術力で解決策を模索してもらうことを目的に共同開催。審査会は先月、長岡市内で開かれ、全国の8高専から10チームが参加。今年度の対象国マダガスカルとケニアの課題解決についてプレゼンした。 宇部高専のメンバーは長尾未優さん(5年)、山下華央さん(4年)、伊藤凪沙さん(同)、江原千央さん(1年)、藤田こなみさん(同)。有志を募って編成したチームで、6月からインターネットや文献で調べて現地の課題を抽出。長野県で行われている水田養殖をヒントに発想を広げ、宇部市内の大学でも意見を聞いて解決プランを練った。 提案のタイトルは「栄養も美味(おい)しさも二重取り!フナとエビの米作り」。マダガスカルは慢性栄養失調率が世界4番目で、人口増加に米の生産が追い付いていない現状に着目。水田でフナとエビを養殖し、それをふりかけにして販売することで栄養改善を図る。エビの殻を肥料として田にまいて米の収穫量もアップさせるとした。 今後は現地での実証に向けて、水槽を使って水田養殖の実験を行い、試作品を作成する。ふりかけにするための乾燥の問題などは、これから詰めていく。リーダーの山下さんは「現地の人たちのためになるように、アイデアを具現化したい」と意欲を語った。