<速報>シウバが4年ぶり復帰戦も判定負け、皇帝ヒョードルは衝撃TKO負け
総合格闘技の「Bellator(ベラトール) 180」が24日(日本時間25日)米国ニューヨークの“殿堂”マディソン・スクエア・ガーデンで行われ、そのメインカードのライトヘビー級3ラウンド(1ラウンド5分)で日本のリングでもおなじみの元PRIDEミドル級王者、ヴァンダレイ・シウバ(40、ブラジル)が、元UFCのランカー、チェール・ソネン(40、米国)に0-3の判定で敗れて4年9ヵ月ぶりの復帰戦を飾れなかった。 またセミファイナルでは、元PRIDEヘビー級王者、エメリヤーエンコ・ヒョードル(40、ロシア)が、同じくUFC戦士のマット・ミトリオン(38、米国)とヘビー級3ラウンド(1ラウンド5分)で対戦。1ラウンド1分14秒に右ストレートの相打ちで、ダブルノックダウンとなったが、先に起き上がったミトリオンが一気に攻勢をかけて、ヒョードルがまさかのTKO負けを喫した。 “戦慄の膝小僧”が戦いのケージに帰ってきた。 テーマ曲の「Sandstorm」が流れ、 ブラジルの国旗を持って入場。名前をコールされると、手首をグルグル回すトレードマークのシーン。 だが、シウバは開始早々にタックルを受けてテイクダウンを許す。そのままゲージに押し込まれ、上から右のパウンドを何発か浴び、防戦一方。途中、クビも固められネッククランクで締め上げられた。だが、そろそろ3分が経過しようとするタイミングで、一瞬の隙を見て立ち上がり、得意のスタンディングで仕切り直すと、強烈な右フックがヒット。今度はソネンがたまらずダウンした。シウバは上になるが、攻めきれず逆にソネンの寝技のテクニックでうまく上になられた。 第2ラウンドは、スタートから打撃戦となった。シウバの左が当たったが、ソネンが、またタックルを仕掛けてダウンを奪われる。ブレークとなったが、再度、タックルからテイクダウンを奪われ、またケージに頭を押し込められる。シウバは必死でガードポジションを取ったが、ケージ際でパウンドの嵐を浴びた。なんとかゴングに救われたが、このラウンドは、完全にシネンが支配した。 運命の最終ラウンド。シウバは打撃で決着をつけたいのだが、またタックルを受けて中央でテイクダウンを奪われ、今度はサイドポジションをとられた。シネンは肘打ちを使い、シウバの右手を絡めアームロックを狙ってくる。シウバは必死にこらえるが、下になったまま時間が無常に経過していく。執拗なアームロック攻撃に耐えるしかなく、何もできないまま、ついに試合終了のゴング。その瞬間、シウバは上になっているソネンを突き飛ばして両手をあげて、やりきれぬ怒りを示した。しかし、この展開で判定にもつれこんでは勝ち目はなかった。0-3のほぼフルマークの完敗だった。 因縁の試合だった。 シウバは、PRIDEの活動停止後、UFCに戦いの場を移し、4勝5敗。2014年7月の「UFC175」でソネンとの対戦が決定していたが、ネバダ州のアスレチックコミッションの薬物検査を拒否したために、その試合は中止となり、UFC側から永久追放となって引退を表明した。その後、処分が3年間の出場停止に変更されたため、現役復帰を決意。昨年末に日本の「RIZIN」でのミルコ・クロコップとの試合が復帰戦として予定されていたが、交通事故で負った故障の回復が思わしくないため欠場していた。 シウバの対戦相手のソネンは、若い頃は、日本のパンクラスにも参戦。UFCでは岡見勇信に勝利、アンデウソン・シウバとのミドル級タイトルマッチを2度戦うなど実績のあるファイター。だが、シウバとの試合が中止になってから、ソネンも薬物使用が発覚して引退。その後、テレビの総合格闘技のコメンテーターなどを務めていたが、ベラトールと契約して現役復帰。この1月にティト・オーディズとの試合で3年ぶりに復帰したが一本負けを喫していた。 シウバにとって2013年3月のUFCのブライアン・スタン戦にKO勝利して以来の復帰戦だったが、ソネンに比べると、ひとまわり体格は小さく、第3ラウンドは体力も失っていて、得意のパンチもキックも鳴りを潜めたままだった。シウバは納得がいかない様子だったが、タックルを一度も切ることができず、4年のブランクが影響したのか、戦略的にも総合の技術の上でも完敗だった。 試合後、「俺はニューヨークが嫌いだ。ティト・オーディズに負けて、シウバに勝ったがね。シウバと再戦するかどうかしらないが、誰も俺を止めることはできない」とソネンが吼えると、シウバは背中を突き飛ばしてケージを去った。