雑草魂、習志野準V (その2止) 全力プレーに感謝 /千葉
<2019 第91回センバツ高校野球> ◇ホテル宿泊で英気 ○…習志野の吹奏楽部は準々決勝まで、応援を終えると千葉に日帰りしていたが、決勝進出を決めた2日は京都府や滋賀県のホテルなどに宿泊した。空いている宿を急いで探し、部員約150人が2カ所に分かれた。副指揮の加藤昇竜さん(3年)は「体力的にきつくなっていたが、横になって眠れて元気になりました」と笑顔。クラリネット担当の竹下友唯さん(同)も「選手がいつも通りの落ち着いたプレーで優勝できるように後押ししたい」と全力応援を誓った。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 ◇知事も駆け付け ○…森田健作知事(69)も駆けつけ、学校関係者と共に応援した。首にエンジ色のタオルを掛け、赤いメガホンをたたきながら「頑張れ」とグラウンドへ声援を送った。試合後、森田知事は準優勝した選手たちについて、「踏ん張って、実力を出してくれた。拍手を送りたい。よく頑張ってくれた」とたたえた。 ◇野球部OBの谷沢さんら結集 一塁側アルプス席には習志野野球部OBが続々と集まった。 プロ野球・中日ドラゴンズで活躍した谷沢健一さん(71)は「私の時代に比べて応援も増え、野球も戦術の進化を感じる」と感慨深げ。準優勝まで勝ち進んだチームに、「私は甲子園に出られなかったが、ここまで来るとうらやましいを通り越して、うれしいの一言」と喜んでいた。 夏の甲子園で8強入りした2011年の主将、宮内和也さん(25)=NTT東日本野球部=や、01年の主将、梶岡千晃さん(35)=同コーチ=も観戦。梶岡さんは「自分の代が夏の甲子園3回戦で敗れた明豊(大分)に、準決勝で勝ってくれてうれしかった。決勝も粘り強く戦って」とエールを送っていた。 野球部1期生で主将を務めた小関和夫さん(77)もアルプスから声援を送った。優勝した1967年と75年の夏の決勝も甲子園で見届けたが、この日は準優勝。「県大会で優勝できなかったチームがここまでよくやった。夏にまた戻ってきてほしい」とたたえた。 ◇「美爆音」夏にまた 大会応援団賞で優秀賞 準優勝に輝いた習志野は、大会応援団賞では優秀賞に選ばれた。吹奏楽部の奏でる圧倒的な演奏の迫力と存在感、大きな声援などがチームを盛り上げたと評価された。 「美爆音」で知られる吹奏楽部を中心に学校関係者、野球部などがスクールカラーのえんじ色を身にまとい、スタンドを一色に染めた。試合が始まるとオリジナル曲「レッツゴー習志野」やCMソングとして有名な「ビューティフルスマイル」をアレンジした新曲を披露した。 主指揮の酒井悠歌部長(3年)は「野球部のおかげで夢の舞台で演奏できた。表彰されるということは、それだけ野球部を後押しできたということだと思う。夏にまたここで演奏したい」と話した。 ◇「よく頑張った」 習志野市役所PVに350人 習志野市役所で開かれたパブリックビューイング(PV)には市民ら約350人が詰めかけ、今大会で熱戦を繰り広げた習志野ナインに「よく頑張った」と拍手を送った。 初回にリードされて苦しい展開が続く中、同校OBの城戸博仁さん(48)は「これまでも逆転で勝ってきた。信じている」と力を込めた。今年3月に同校を卒業した小森未鈴さん(18)は元吹奏楽部員で、2回戦の星稜戦までスタンドで演奏した。「東邦のブラスバンドも音量が大きくて迫力がある。気持ちで負けずに演奏して、選手たちの背中を押してほしい」と後輩たちにエールを送った。 試合が終了すると、選手たちをねぎらう大きな拍手が広がった。同市立第一中1年の楠知弥さん(12)は管楽器を習っており、「選手たちは一生懸命戦って格好良かった。自分も習高に入学して甲子園で演奏したい」と話した。母親の洋枝さんは「ここまで何回も感動をもらって、たくさんの良い思い出ができた」と感謝の言葉を口にした。【小林多美子】