【詳報】父親は事細かに否認 検察は「殺害を家族で話し合い」 主張が対立 札幌・すすきの殺人
札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性の遺体が見つかった事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、父親の田村修被告の初公判が1月14日に開かれました。 【画像】父親は事細かに否認 検察は「殺害を家族で話し合い」 主張が対立 札幌・すすきの殺人 殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われているのは、田村修被告(61)です。 起訴状によりますと修被告は2023年、のこぎりやキャリーケースなどを購入し、娘の瑠奈被告に提供。 さらに、瑠奈被告を事件当日に車で送迎したほか、瑠奈被告が殺害し、自宅に持ち帰った男性の頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした罪に問われています。 初公判は予定より約1時間早く、午後4時ごろ閉廷しました。
法廷での修被告 起訴内容を事細かに否認
予定通り始まった裁判で、修被告は黒のスーツ姿で入廷し、無表情で前を見つめていました。 終始表情を変えることはなく、また感情を強く出すような場面もなく、犯行当時の状況を淡々と話しました。 裁判長から起訴内容が読み上げられたあと、事実と違う点があるかどうか問われたのに対し、「違う点がいくつかありますので、正確にお伝えするためメモを見て答えてよろしいでしょうか」と述べました。 そのうえで、 ▼娘の瑠奈被告が犯行を行うことは事前に知らなかった ▼遺体損壊についても行為のあとに知った ▼キャリーケースの中身は聞いていなかった などと起訴内容を否認して無罪を主張し、「浩子も私もすぐに警察がやってくることは気づいていたが、残りの時間を娘と一緒に過ごすしかなかった」と述べました。
主な争点と双方の主張
修被告の裁判では、次の2点が主な争点となっています。 ①修被告が瑠奈被告の殺人計画を事前に知っていたかどうか ②修被告の行為が瑠奈被告の行為を直接的・精神的に手助けしていたか そのうえで、起訴されたそれぞれの罪について、双方から次のような主張が展開されました。 <殺人ほう助> (検察側) 瑠奈被告は被害者と会う約束を取りつけた6月18日に浩子被告を通じて家族の話し合いを求めていた。 その際に、浩子被告は修被告に対して「色々なことについてのディスカッションであったり、買い物かもしれません」などとメッセージを送っていた証拠などから、事前に家族で被害者を殺害する計画の話し合いをしていたと主張。 (修被告・弁護側) 大事な一人娘が人を殺そうとしていて、瑠奈被告よりも体格の男性で逆襲されるかもしれないのに、娘と男性を2人きりでホテルの部屋に置いて、自分は勤務先で書類の処理をしに行く親がどこにいるのか。 修被告が上記のような行動をとっているのは、犯行について知らなかったことに他ならない。 このように、修被告は瑠奈被告の犯行を事前に知らなかったという主張を繰り返しました。