阪堺・住吉公園駅30日の最終運行を前に見物人も 31日廃止
阪堺・住吉公園駅 30日の最終運行を前に多くの見物人 THEPAGE大阪
老朽化が進んでいることなどから、阪堺電気軌道は31日、上町線の住吉公園駅を廃止する。同社は昨年8月、同駅と約200メートル先の隣駅である住吉駅間の路線の廃止を国に申請し、最終運行は30日となる。その最終運行前日の駅をのぞいてみると、廃止を名残惜しそうに眺める人の姿が多数あった。
昔を知る人「にぎやかでしたよ」
雨が降りしきる29日午後、住吉公園駅にはロープが張られていた。それもそのはず「あべのハルカス」開業に伴う約年前のダイヤ改正で午前7~8時台のみの平日上下5本、土・休日同4本の往復に縮小されたため、午後に来たらこのような光景となる。 このホームを眺めていた堺市の40代の男性は「昔はたくさん来ていたので、ここ1年ほどのこの感じはなんか違和感があります。にぎやかでしたよ」と話す。1950年代には1日約200本の発着があったそうで、昔を知る人にとっては、かなり違和感がある光景かもしれない。 住吉駅との間の線路は敷設後60年近くを経過。住吉交差の併用軌道や住吉公園停留場構内のポイント部は老朽化が進行し、運行を続けるには改修が必要だが、その費用は数億円規模となる。そのため、住吉~住吉公園間を廃止せざるを得ないと決断し、廃止申請書を提出している。
29日夜ホームに電車で見物人大喜び
廃止が決まって以来、記念撮影会が開かれるなど、別れを惜しむ鉄道ファンらが訪れている。30日には運行最終日ということで、様々なお別れのイベントが予定されている。29日夜も最後の姿を見ようと、スーツ姿のサラリーマンらが撮影してはジッと眺める光景が相次いで見られた。 仕事の途中に寄ったという松原市の40代の男性は「あしたイベントがあるのは知ってますが、どうせいっぱいになるでしょうから、きょう見に来ました。つい最近までは電車が頻繁に見られたので残念ですが」と言いながらシャッターをきる。 そんな時、ちょうどホームに列車が入ってきた。最近は朝しか見ない光景だったため、男性も「これはラッキー」とうれしそうにシャッターをきる。貸切列車の到着だったが「最後に見られて来た甲斐がありました」と満面の笑みを浮かべ、仕事に戻っていった。