【ONE PIECE考察】残酷すぎる過去エピソードに衝撃……バーソロミュー・くまの運命やいかに?
※本記事は本誌最新話の内容に触れる部分があります。 現在『ONE PIECE』本誌では、物語のキーマンとも言えるある男の過去が注目を浴びている。その男とは、かつて王下七武海の一角として麦わらの一味の前に立ちはだかったバーソロミュー・くまである。 【写真】日本人形の老舗が作った『ONE PIECE』フィギュアが凄すぎる 彼の過去エピソードはその残酷すぎるストーリーから、多くの読者に衝撃を与えた。そこで本記事ではバーソロミュー・くまの過去編における注目ポイント、今後の展開予想について、ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞いた。 「本誌はくまの過去編の真っ最中ですが、このエピソードはこれまでの物語でも屈指の悲劇ですよね。もちろんこれまでにもロビンの過去編など悲しいエピソードは数多くあったんですけど、それらとも違うというか。『死んだ方がいい世界』というサブタイトルもありましたが、本当に死んだ方が幸せなのではと思ってしまうほどひどい話です。1番はやはり、くまにこんな過去があったんだと驚きましたね。新世界に入るあたりから違う一面もみせていましたけど、初登場時は心がないようなイメージでした。スリラーバークで一味と遭遇したときは本当に怖くて、その絶望感は今でも覚えています。それが今読み返すと全然変わってみえるというか、もしかしたらくまは作中で1番優しい人物なのではないでしょうか。今世界人気投票をしたら、彼が1位になるのではと本気で思います。ボニーに関しても最悪の世代の1人でちょっと元気な女の子くらいに思っていた方が、多いのではないでしょうか。私もローの過去が結構深掘りされていたので、もちろん過去に何かあるんだろうなとは思いながらも、ここまで濃い人生が明かされるとは思っていませんでした。ボニーが子供なのにも、びっくりしましたね。くまが自我を失くしたのは娘のためで、そのうえくまは娘が治るならなんでもいいと感謝の言葉さえ述べています。親子愛を感じるエピソードではありますが、切なすぎる話ですよね」 バーソロミュー・くまの過去エピソードには、大筋のストーリー以外にも注目ポイントがあると神木氏は続ける。 「過去編で描かれているくまの描写が、他のエピソードに繋がっているのも面白いですよね。例えばくまは初登場のときから聖書を持っていますが、過去編では彼が牧師であると明らかになりました。また素性が明らかになっていなかった頃は読者にイジられることもあった、『旅行するならどこに行きたい?』という決め台詞。これもボニーとの約束や夢を知った後だと、聞こえ方がまったく変わります。ボニーがピザ好きなのも、みんなでピザを食べた思い出からなのでしょう。またシャボンディ諸島から麦わらの一味のクルーを飛ばした場所も、くまが過去に行ったことがある場所だと判明しました。実際に彼らは大幅にパワーアップしていますし、くまはしっかりと利になる場所を考えてそれぞれを飛ばしてくれたのでしょう。くまの過去編はゴッドバレー事件なんかも絡めながら、伏線回収を兼ねて過去のいくつかの要素をまとめる意味もあるエピソードなんだと思います。それにしても物語が重すぎましたね」 優しい心を持ちながら、辛い人生を歩んできたバーソロミュー・くまとジュエリー・ボニーの親子。2人の人生は、どのような方向に向かうのか。 「海賊であるルフィを捕まえようとしてくる相手といえば、やはり海軍ですよね。そしてラスボスとしてはこれまでの敵たちがそうだったように、例えば黒ひげのような強い海賊になると思っていました。しかしレヴェリーあたりから、最後の敵は海賊ではなく、そのうえ海軍でもない、もっと奥の世界政府本体になりそうな感じですよね。くまの過去編を読んでいると天竜人が想像以上に悪い奴すぎて、これまでのストーリーを考えてもそこを倒さなければルフィの冒険は終わらないと思います。もしかしたらルフィは四皇になりましたが、他の四皇もそして海軍も全員が手を組んで、世界政府と戦う展開になるかもしれません。そうなると鍵になるのは、やはり太陽の神ニカの存在でしょう。くまはニカの存在を信じており、支えにしている姿が何度も過去編で描かれています。ワノ国編はある意味、ニカの能力が覚醒する物語でした。エッグヘッド編から始まる最終章は、本当の意味でニカが活躍する物語になると思います。辛い人生を生きてきたくまとボニーですが、ニカが2人を救ってくれることを願います」 バーソロミュー・くまとジュエリー・ボニーの過去を知り、読者は誰もが彼らの幸せを願っているだろう。今後の物語では、2人の人生が良い方向に向かうことに期待して動向を見守りたい。
青木圭介