【解説】コロナ禍で「顎関節症」患者が増加? マスクやスマホが原因の1つに セルフチェックの方法とは
日テレNEWS
3年に及ぶ新型コロナウイルスの影響で、「顎(がく)関節症」の患者が増えたといいます。マスク着用が個人の判断となるなど、コロナ対策は緩和されていきますが、引き続き顎関節症への注意は必要となりそうです。 ◇マスクが要因? ◇自分も? チェックを ◇コロナ禍が終わっても… 以上の3点について詳しくお伝えします。
■命に関わる病気ではないが…“生活の質”に影響
まず、「顎関節症」とはなにか、「あごが痛む」「口が開かない」「あごを動かすと音がする」というのが主な症状で、あごの関節やあごを動かす筋肉、この辺全般の病気のことを言います。これらの症状に1つでも当てはまれば、顎関節症と診断されます。 日本顎関節学会によると、命に関わる病気ではないですが、当然、痛みがあれば気になりますし、ひどくなると硬い物がかめなくなることがあります。大きな物も食べにくくなり、“生活の質”自体がどうしても落ちてしまいます。
■男性より女性の患者が多い…歯科医師らはコロナ禍で患者が増えたと実感
顎関節症は、「日本人の2人に1人は、一生のうちに経験する」とも言われています。厚生労働省の調査では、「口を大きく開け閉めした時にあごの音がする」と答えた人の割合は男性より女性が多く、特に20代~40代女性に多いです。20歳~24歳の女性では41.7%にのぼっています。これは2016年の調査(厚生労働省による2016年の歯科疾患実態調査 対象:6歳以上の3655人)が最新で、新型コロナウイルス感染拡大前の調査ですが、実はその後の歯科医師らの実感では、コロナ禍によって顎関節症の患者が増えたといいます。
日本顎関節学会の指導医でもある幸町歯科口腔(こうくう)外科医院院長・宮本日出医師によると、コロナ禍で男性の患者も増えていて、宮本医師の感覚によると、女性は30代の患者がさらに増えたと言います。子育て世代で、コロナで子どもも家にいる、それから外出機会が減るということで、ストレス増加した事も影響しているのではないかとみています。 というのも、「ストレスで歯をかみしめる、食いしばる」「寝ているときに歯ぎしりがある」「片方で物をかむ癖がある」「ほおづえをつく」「横向きで寝る」、いろいろな要因が顎関節症につながっていくと考えられています。長引くコロナ禍で当然、ストレスは増えます。それから、「マスク生活」や「スマホ」「在宅でのパソコン」とこういうことに集中する時間が増えたのも、患者が増える要因になったのではとみられています。 「マスク着用そのものがストレスだ」と感じる人もいますし、マスクをしている事で口を大きく動かす機会が減っている。また、マスクをしていると呼吸がしづらく感じるので、隙間をなんとかして作ろうと、普段はあまりやらない動きで口を動かしてマスクをずらす、これもよくないといいます。