【野村克也の本格野球論】主題「選手教育」
「チーム優先」をいちいち口にする選手は信用しない
指導者時代、選手にヒントを与えることを常に考えていたという筆者/写真=BBM
2月1日のキャンプインは、プロ野球選手にとっては元日のような一日。ユニフォームを脱いで久しい今となっても、気持ちの上では彼ら同様、「さあ、今年もやるぞ」という思いがみなぎってくるから、不思議なものだ。 私はともかく、ユニフォームを着て戦っている諸君にとっては横一直線、志を同じくしてのスタートである。まさに、初心忘るべからず。そこで抱いていた“初心”をどこまで忘れず持続させるかが、その後のペナントレースの行方を変えてくる。なんといっても1シーズンは長いのだ。1シーズンが短いと感じるのは、調子の良い証拠。調子の悪い年の、1シーズンの長さといったら! 年によってそれほど感じ方の違う、1年間というシーズンを何度も乗り切り、初志貫徹させた者のみが、一流選手への階段を上っていくわけだ。 キャンプインのころにはまた、選手たちはみな一様にシーズンの目標を唱え始める。昨今はどうも「チームのために」とか「チームの優勝」とか口にする選手が多いように思う。私など、ヘソが曲がっているから・・・
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週刊ベースボール