都内で伝統工芸フェア 輪島の職人たちの復興への思い【WBS】
18日まで開かれていた「いしかわ伝統工芸フェア」。36の産地、61団体が参加し、およそ2万点の工芸品が並びます。あるブースで女性たちが熱中していたのが、九谷焼を使ったアクセサリー作りの体験です。石川県南部の工芸品である九谷焼の割れた破片に色を塗り、アクセサリーを作っていました。 「熊本県出身で熊本地震のときに助けてもらったので恩返しに来た。」(参加した来場者) 来場した多くの人が被災地を支援したいという思いを持っているようです。 「自分にできることはこういう形で買いに来たりとか、ボランティアに参加すること」(来場者) 「手工業は日本の宝だと思うので、やっぱり残していかないともったいない」(別の来場者)
出展した輪島塗の職人、坂口彰緖さん。自宅はいまだに水が通っておらず、食事のほとんどを炊き出しや自衛隊の物資に頼っている状況ですが、今回出店に踏み切りました。 「もう片付けはあとにして、皆さんのところに出ていこう。残っている、いきている商品を皆さんにお持ちしよう」(坂口さん)と地震の被害を免れた商品を東京まで運び、ブースに並べました。 垂れ下がるように漆を塗り、そこに青く光る特殊な装飾を施しているお椀など、職人技が込められた自慢の一品を来場者にアピールしました。 「いつから再開できるかは分からないが、場所を変えたり、いろいろしながら少しでも早く制作に移っていければ」(坂口さん) 実はこの「いしかわ伝統工芸フェア」、石川県は延期や中止を検討しましたが、職人たちの強い思いを受けて開催しました。 「輪島漆器商工業協同組合」の隅堅正事務局長は「(次の世代の)職人に新しい仕事を渡したいという思いがある。それには物が売れて、物を作り始めるというサイクルを作らないといけない」と話します。
続いて藤井由依キャスターが訪ねたのは、「塩安漆器工房」のブースです。 「ちょっと変わったぐい呑みだけど、幅の広いはけでしゃっと。輪島ではいたずらすることを『ワッサする』という。『悪さ』からきているんだと思う」(「塩安漆器工房」の塩安眞一代表) 緑色の下地に悪さをしたように、大胆に赤で模様が描かれたぐい呑み。 これを作った塩安さんも復興への強い思いを持ってフェアに参加しました。 テレビ東京は1月、塩安さんの店舗兼工房を取材。室内は商品や道具が散乱し、再開の見通しが立たない状況でした。8人の職人のうち6人が輪島を離れて暮らしているといいます。 「『とにかく仕事場を早く復活させて仕事を始めるからな』と言ったら、職人から『もう喜んでいく』と」(塩安さん) この日客の中には、フェアで初めて輪島塗に触れた人もいました。伝統工芸を助けるため、足を運んでくれたことに塩安さんは手応えを感じています。 「本当にありがたい。たくさんの人に来てもらって、こうやって実際買ってもらったら今度は次の品物を作らないといけない。職人たちが『親方やっているな』という気持ちになってもらう。輪島に帰らないといけないなという気持ちになってもらうのがやっぱり一番」(塩安さん) テレビ東京グループでは、能登半島地震で被災された方々への支援のため、義援金を募集しています。集まった募金は日本赤十字社を通じて、被災者の方々に届けられます。 銀行名:みずほ銀行 本店 口座番号:(普)5701216 口座名:TXNチャリティ募金令和6年能登半島地震(ティーエックスエヌチャリティボキンレイワロクネンノトハントウジシン) ※みずほ銀行の本・支店からは振込手数料はかかりません。 ※ワールドビジネスサテライト