アニキ・水波綾 東京プリンセスカップ涙の初優勝「17年目だけど、人生何があるかわからねえな」
「プロレス・東京女子」(25日、後楽園ホール) シングル最強決定トーナメント「第11回東京プリンセスカップ」の決勝戦が行われ、フリーの水波綾(36)が愛野ユキ(29)を破って初優勝を飾った。水波は試合後にプリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩(24)を呼び出し、挑戦を表明した。 1・4後楽園ホール大会から3・31両国国技館大会まではプリンセス・タッグ王者組でもあった水波と愛野。序盤は水波が圧倒的なパワーで押しまくったが、5分過ぎに場外で愛野が鉄柱攻撃、サイドスープレックスで反撃。「ユキ!」、「アニキ!」と叫びながらの壮絶なエルボーの応酬から水波がチョップを放ったところで10分が経過し、愛野はヴィーナスDDT、サイドスープレックス、この日再三トライした愛と炎のフルネルソンとフェイバリットホールドをくり出していくが決めきれず。水波は豪快な裏投げからスピアーとたたみかけ、13分47秒、HOT LIMITからの片エビ固めで3カウントを奪った。 水波は「ユキ!何下向いてんだ!おめえはまだできるだろ!?このままじゃ終わらないよな!」とゲキ。愛野が「絶対にまた戦ってくれますね」と問いかけると「何回でも何回でも何回でも戦ってやる。ユキ!もっと強くなれ!」とハッパをかけた。 さらに「このトロフィーを手にしたらある人にあることを言おうと思っていた。渡辺未詩ー!」と渡辺を呼び込み、「言いたいことは分かるよな?その白いベルトに挑戦させてくれ!」と要求。渡辺も「9月22日、幕張で戦いましょう。絶対に負けません!」と、ビッグマッチ「WRESTLE PRINCESS Ⅴ」(9月22日、幕張メッセ国際展示場展示ホール5)での防衛戦を受諾した。 水波は5年前に一度は引退しようとしたことを振り返って「キャリア17年目だけど、人生何があるかわからねえな!」と感極まり、大「アニキ」コールを受けて「皆さんのアニキコールはホントに私の宝物です」と歓喜した。 バックステージでは東京女子に初参戦した時の試合が渡辺未詩との一騎打ちだったことを振り返り、「前にシングルをやった時からパワーに驚かされた。今日リングで向かい合って、すげえ目をしていて、度胸が据わってんな、強えチャンピオンになってるなって」と、渡辺の成長を実感。「必ず取ってやるって思った」と戴冠宣言した。 渡辺も初対決を振り返り、「海外の選手が急きょ来られなくなって水波さんが何とか出てくれた。その時から(タイトルをかけて戦うのは)運命的なものだったのかな」としみじみ。「水波さんは東京女子を好いてくれてると思うし、特別な思いも芽生えてると思う」と3年間、コンスタントに参戦してきた水波の胸中を推測し、「フリーとか関係ない」と、東京女子の同志として戦う姿勢を見せていた。 ◇ ◇ セミファイナルでは渡辺、インターナショナル・プリンセス王者のSKE48・荒井優希、プリンセス・タッグ王者のでいじーもんきー(鈴芽、遠藤有栖組)が王者カルテットを結成し、上福ゆき、上原わかな、凍雅、キラ・サマー組と対戦。遠藤が上原を16分26秒、什の掟からの片エビ固めで押さえ込んだ。 遠藤はいったん退場した荒井を呼び戻し、王者カルテットの中で「私が取った」と強調。「私ちょっと欲張りになるね。9月14日に会津凱旋(会津若松市鶴ヶ城体育館大会)がある。そこにそのベルト(インターナショナル)とこのベルト(タッグ)を持ち帰りたい。だから名古屋でそのベルトに挑戦したいです」と、荒井のホームでの挑戦を要求した。 荒井は「私も有栖ちゃんと、いつかタイトルマッチでシングルマッチをしたいとずっと思っていたから」と受諾し、9・8名古屋国際会議場イベントホール大会でのタイトルマッチが決定的になった。 ◇ ◇ この日は9・22幕張大会の追加カードとして、ザイア・ジャオ(ザイア・リー)、瑞希組-VENY、上福ゆき組、さくらえみ-中島翔子が発表された。米WWEで活躍してきたザイア・ジャオは、初来日となる。また、長谷川美子が9月からレギュラー参戦することも発表された。