「憐れみの3章」ジェシー・プレモンスの様々な表情をとらえた新場面写真 ランティモス監督も「最も偉大な俳優の一人」と絶賛
「哀れなるものたち」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがタッグを組んだ「憐れみの3章」の新たな場面写真5点を、映画.comが先行入手した。本作でランティモス作品に初参加したジェシー・プレモンスが3つの物語で見せる様々な表情が切り取られている。 【フォトギャラリー】「憐れみの3章」ジェシー・プレモンスをとらえた場面写真(全5点) 本作は、ランティモス監督のもと、「哀れなるものたち」で2度目のアカデミー賞主演女優賞に輝いたストーンをはじめ、同作に出演したウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結。さらに、プレモンス、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、ママドゥ・アティエ、ハンター・シェイファーといった実力者が顔を揃えた。「籠の中の乙女」「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のエフティミス・フィリップが、ランティモス監督とともに共同脚本を手掛けた。 「マット・デイモンのそっくりさん」としても度々話題にあがるプレモンスは、子役として3歳からキャリアをスタートさせ、「すべての美しい馬」(01)ではデイモン扮する主人公グレイディの幼少時代の役を演じた。ドラマ「Friday Night Lights(原題)」(06~11)のランドリー・クラーク役が大当たりすると、その後は「ブレイキング・バッド」(08~13)や「FARGO ファーゴ」(14)などで活躍。映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」では、2022年度アカデミー賞助演男優賞候補にノミネートされた。 3話構成となる本作では、それぞれのストーリーで全く異なるキャラクターを演じ分け、すべての章で主人公と言っても過言ではないほどの存在感を放っている。第1章は、「自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男」を描いた物語。プレモンスは、デフォー扮するレイモンドとの間に奇妙な支配と服従の関係を持つロバートを演じ、支配から逃れようとするものの、抗えずに葛藤する複雑な役どころに挑んだ。 第2章「海で失踪し帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官」では、ストーン演じる海難事故で失踪したリズの夫・ダニエル役を担い、奇跡的に生還した妻の別人のような言動に困惑し、疑心暗鬼に駆られるにつれ、自身の言動も狂っていく二面性のあるキャラクターを圧倒的な演技力で体現した。 第3章「卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女」では、ストーン演じるエミリーとともに、ある一人の女性を人生をかけて探す使命を負うアンドリュー役を務めた。スキンヘッドと眼鏡姿で、感情表現は控えめながら、強い信仰心を感じさせる絶妙なバランスの演技をみせる。 本作が3話構成だと知ったプレモンスは、インスピレーションのために他の作品を参考にしようと試みたが、うまくいかなかったという。「この世界観に近いと思えるようなものを見つけられなかったのです。映画としてだけでなく、ヨルゴスにとっても新しい領域のように感じています。本当に奇妙で、脚本とキャラクターの変化がとても面白いのです」と話し、新たな世界だととらえて挑戦したことを明かしている。プレモンスは、本作でみせた演技が高く評価され、第77回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。ランティモス監督のカンヌ無敗記録を更新した。 ランティモス監督はプレモンスについて、「彼は現在活躍している最も偉大な俳優の一人だと思います。ユーモアのセンスも素晴らしいし、トーンもよくつかんでいます。彼はとても努力家で、あるキャラクターから次のキャラクターへと微妙に変化していく姿は並外れたものがあります。彼はいつもいろいろなことに挑戦しているのです」と絶賛している。 「憐れみの3章」は9月27日全国公開。