阪神・大山が50日ぶり4号&タイムリー 1軍復帰2戦連続マルチ安打を岡田監督も評価
(セ・リーグ、阪神2-5DeNA、10回戦、阪神5勝4敗1分、22日、甲子園)阪神はDeNAに2―5で逆転負けし、連勝が3で止まった。1軍に復帰して2戦目の大山悠輔内野手(29)が、二回に5月3日以来50日ぶりとなる4号ソロを放った。適時打を含む2打点で復調の兆しを示した4番が、湿りっぱなしの虎打線を何とかもり立てていく。 虎党の誰もが待ち望むアーチが、厚い雲に覆われる甲子園にかかった。力強く振り抜いた大山がフェンスの向こうまで飛んだ打球を見届け、ゆっくりダイヤモンドを一周する。帰ってきた主砲の頼もしい姿に大歓声が降り注いだ。 「チームが勝つか、負けるかなので。あす(23日)は勝てるように頑張ります」 二回の先頭で迎えた第1打席。開幕から5勝無敗だった先発左腕・東に先制パンチを浴びせた。4球目のチェンジアップを捉えると、打球は左翼スタンドへ一直線だ。4号ソロ本塁打にも笑顔はほとんど見せず、チームメートとハイタッチ。「チームとして先に点を取ることができてよかった」。5月3日の巨人戦(東京ドーム)以来実に50日、101打席ぶりの一発に甲子園がわいた。 1―3とリードされた四回には、無死一、三塁でまたも東のチェンジアップを左前に運ぶ適時打。降雨とともに戦局がDeNAに傾いても、勝利を諦めない一打で2試合連続のマルチ安打とし「しっかり後ろにつないでいく意識でした」とコメントした。その後打線はつながりを欠いたが、この日チーム唯一となる2打点で4番の存在感を示した。 一発どころか安打すら出ず、打率2割を切ったところで2軍落ちが決定。5日に登録を抹消され、鳴尾浜で必死に汗を流して体の切れを取り戻した。出場したウエスタン4試合では本塁打が出ず、打率・167(12打数2安打)。それでも、見守った和田2軍監督は「どろんこになって野球をやった2週間。状態を良くしたいという思いもこっちに伝わってくる感じで、日々取り組んでいた」と、その姿に再起への可能性を感じ取っていた。 昇格後2試合で4安打1本塁打。状態を見極めて4番起用した岡田監督は「最初の(本塁打の)打席な。だいぶ前でさばいてな。あんだけ前で打ってるの、他の選手見たら分かると思うけどな」と評価した。主砲の会心の当たりも勝利には結びつかず、チームの連勝は3でストップ。再び首位広島とは2・5ゲーム差となったが、4番のバットが奏でた快音は好材料だ。