「市長就任後に意味合い変わった」病院の再編統合『神戸移転の白紙撤回』掲げ当選の三田市長が一転「計画を再開」と表明 市民から批判の声も
兵庫県三田市では市民病院の再編統合問題について、統合の白紙撤回を公約に掲げて当選した市長が「再編統合計画を再開する」と24日の市議会で話しました。市議会を終え市長は「市長就任後に『白紙撤回』における意味合いが変わった」などと話しました。 (三田市の田村克也市長) 「公約を果たせたかという点については、移転についての白紙撤回の公約については果たせていないという認識、再編統合で凍結していたが、本日からリスタートしたと議会でも表明した。選挙活動において公約にも掲げていますが、選挙活動での白紙撤回はいったん白紙に戻して考え直すということでしたが、市長をやりながら様々な当然ながら情報量が違いますので、立ち止まるという形に変わった点については認めます」 また、神戸移転の白紙撤回を信じ投票した人にどのように説明するかを問われると、「市民の命を最優先に考えた場合にやむを得ない」などと話しました。 (三田市の田村克也市長) 「三田市民病院が神戸市に移転することについてもろ手をあげて賛成するひとはほとんどいないという状態。三田市民の命を最優先に考えた場合にはやむを得ないのが結論です」 さらに辞職については「今はその考えはない」として否定しました。 三田市民病院は19の診療科を持つ市内唯一の公立病院で、24時間対応の救急外来を構え市内の救急搬送の6割以上の受け皿となっている地域の中核病院です。 しかし医療の維持・充実やそれに伴う医師不足、設備の老朽化などの課題があり、6年前から病院を再編統合する議論が進められ、三田市などは去年隣接する神戸市北区にある済生会兵庫県病院と統合させ、およそ5キロ離れた場所に移転することを決めました。 これに対し、市民からは「救急搬送が間に合うのか」「アクセスが悪い」などといった不安の声が上がっていました。 三田市の田村克也市長は今年7月の市長選で「病院移転の白紙撤回」を公約の1つに掲げて当選。しかし就任後の議会で「辞書でいう白紙撤回の意味と自分の理解は違う」「『白紙撤回』とは再編統合を 取りやめるのではなく、市民に情報を広く伝えること」と具体的な方針を示さず、批判の声が上がっていました。 24日に行われた三田市議会で田村市長は「これまで凍結してきた再編統合計画を本日をもって再開いたします」と発言し、再編統合を進める方針を示しました。 これを受け、市議らが、「公約の解釈を選挙後に変えることになれば、 選挙そのものが成り立たなくなる」として問責決議案を提出。賛成多数で可決されました。